水田への家畜尿の液肥化利用

タイトル 水田への家畜尿の液肥化利用
担当機関 宮城畜試
研究課題名
研究期間 2003~2005
研究担当者 大庭康彦
大友一博
佐藤章
日野義彦
発行年度 2005
要約 家畜尿由来の液肥は簡易曝気による臭気低減が可能であり、水田への散布の均一性にも問題なく、水稲への追肥としての利用においては収量的にも遜色がみられない。
キーワード イネ、家畜ふん尿
背景・ねらい 土壌還元する畑地が少ない水田地帯では,畜産経営から排出されるふん尿処理が重要な課題となっている。特に家畜尿は積極的な利活用が図られていない。
家畜尿を曝気処理する事により臭気を低減し、水田地帯で有機質肥料として低コスト有機農産物生産のため積極的に活用する。
成果の内容・特徴
  1. 各畜種の尿貯留槽中液に含まれる肥料成分を調査し平均値で、肉牛(n=7)で窒素0.41%(うちNH4態0.38%)、カリ0.73%、乳牛(n=10)で窒素0.44%(うちNH4態0.40%)、カリ0.78%、養豚(n=3)で窒素0.14%(うちNH4態0.11%)、カリ0.15%と、肉牛の尿貯留槽中液では窒素成分の約9割はアンモニア態として存在している。
  2. 牛尿汚水(窒素濃度0.37%)用い、10m3の貯留槽にブロアを設置し毎分0.5立方メートル通気をおこなうことで、曝気4時間経過後に硫化水素が検出されなくなり、臭気の質がアンモニア主体に変化する。BOD(生物化学的酸素要求量)は48時間後から減少する(図1、図2)。臭気の面からは4時間以上の曝気処理で施用可能と判断されるが、長期的貯留を考えた場合にはBODが十分に低下する2週間程度曝気する必要があると考えられる。
  3. 追肥は幼穂形成期行った。処理後の液肥を1.3立方メートルのバキュームタンクで移動し、予め中干ししておいた25aの水田に水口から流し込んだ。投入開始から60分後には概ね液肥が全面に到達し、均一性にも問題がないものと判断される(図3、4)。
  4. 水稲収量については、玄米重量比で慣行区と比較して遜色ない収量が確保できる(表1)。
成果の活用面・留意点
  1. 各畜種とも農家間、季節間の変動が大きく、液肥として施用する際には成分分析が必要である。
  2. 曝気に際して液の粘性が高い場合は、曝気量を減らすか消泡剤を添加するなどの発泡対策をする必要がある。
URL http://agriknowledge.affrc.go.jp/RN/3010022873
カテゴリ 経営管理 水田 水稲 低コスト 肉牛 乳牛

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