モモ園における浸水・冠水樹の被害程度

タイトル モモ園における浸水・冠水樹の被害程度
担当機関 福島県果樹試験場
研究課題名
研究期間 1999~2000
研究担当者
発行年度 1999
要約 1998年8月下旬の集中豪雨により発生したモモ「あかつき」園の浸水・冠水被害は、樹冠のほぼ全体が浸水した樹は浸水直後に枯死するものが多く、50%以上が浸水した樹は、次年度の生育もかなり低下し生産量も劣った。50%以下の浸水の樹の多くは、次年度正常な生育を示した。
背景・ねらい 1998年8月27日から31日にかけての集中豪雨により、
県北地方の阿武隈川流域のモモ園で浸水・冠水の被害が発生した。
浸水した部分は直後に落葉したが、樹および枝の枯死は一部であった。
そこでモモ「あかつき」園の被害状況および次年度以降の生育状況、
生産性等を検討し、樹勢回復処理および改植等の指導資料とする。
成果の内容・特徴
  1. 浸水した部分の葉は全て落葉し、果実も全て腐敗落果した
    (大部分の品種は収穫済みであったが、晩生種の一部が収穫未了)
    (表1)(表2)。
  2. 樹の枯死は浸水の著しい園地や滞水しやすい園地で見られ、
    浸水後間もなく枝梢の枯死が顕著となり樹全体の枯死に至った。
    浸水直後の枯死を免れた樹の中で翌春枯死した樹は比較的少なかったが、
    浸水程度の著しいものは
    開花期~満開後30日頃に樹勢低下または枯死に至るものが多かった。
  3. 落葉した部分で枯死しなかった枝では9月10日頃から基部の葉芽を中心に
    二次発芽がみられ、年内に数cmから10cm程度伸長した。
    発芽は全ての枝で見られたわけでなく、
    園地間、樹間、樹内の部分により発芽の有無は大きく異なった
    (表2)。
  4. 発芽が見られた樹では9月22日頃から開花(狂い咲き)が見られた。
    開花時期は樹により差があり約1ヶ月間だらだらと続いた。
    なお開花した樹は樹冠の50%以上が浸水した樹のおおよそ7~8割程度の樹であった
    (表2)。
  5. 翌年の生育は、樹冠の50%以上浸水した樹では樹勢が低下し、果実生産も低下した。
    50%以下の浸水の場合は、初期生育は劣ったが、
    その後樹勢は回復し、ほぼ通常通りに果実生産された樹が多かった
    (表2、3)。
成果の活用面・留意点
  1. 浸水被害樹を改植するか樹勢回復処理かの判断は、
    樹冠の1/2の浸水を基準とし、それ以上浸水した樹は改植を進める。
  2. 浸水程度および浸水時間が同一でも樹の反応に大きな差が認められるため、
    樹冠の50%以下の浸水であっても
    園地の排水条件の良否を含めて改植等を判断する必要がある。
  3. 浸水被害樹に対する有効な樹勢回復のための対策が必要である。
URL http://agriknowledge.affrc.go.jp/RN/3010021994
カテゴリ 改植 樹勢回復 品種 もも

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