チオファネートメチルオイルペースト剤を利用したリンゴ腐らん病の簡易な治療法

タイトル チオファネートメチルオイルペースト剤を利用したリンゴ腐らん病の簡易な治療法
担当機関 青森県りんご試験場
研究課題名
研究期間 1997~1997
研究担当者
発行年度 1997
要約 チオファネートメチルオイルペースト剤塗布は、リンゴ腐らん病の胴腐らんに対して高い治療効果を示す。本剤を用いた治療法は、これまでに実用化された泥巻き法あるいは有機胴塗布剤などを利用した削り取り法に比べて3~4割程度、作業時間を短縮できる。
背景・ねらい リンゴ腐らん病は枝幹に発生する胴枯性病害であり、
主枝や亜主枝などの大枝に生じる病斑を胴腐らんと呼んでいる。
現在、胴腐らんの治療法として、泥巻き法と削り取り法が実用化されているが、
いずれも多大な時間と労力を要するという難点がある。
チオファネートメチルオイルペースト剤は本病原菌に対して、
高い殺菌作用を示すとともに、有効成分が皮層内部にも浸透する塗布剤である。
そこで、より簡便で作業性の高い治療法を確立するために、
本剤の処理方法と治療効果との関係を検討する。
成果の内容・特徴
  1. 胴腐らんの治療は病患部(褐変・腐敗のみられる樹皮)の削り取り→
    病患部周辺の樹皮表層(表皮)の削り取り→
    薬剤散布の手順で行う(図1)。
  2. 本剤は春、秋の処理時期の違いに関係なく、高い治療効果を発現する
    (表1)。
  3. 治療跡のカルス形成は、有機胴塗布剤を利用した削り取り法に比べるとやや劣る
    (表2)が、
    樹の生育不良などの悪影響は特にみられない。
  4. 治療に要する時間は経験的に判断して、
    泥巻き法や有機胴塗布剤などを用いた削り取り法よりも3~4割程度、短縮できる。
成果の活用面・留意点
  1. 薬剤の浸透性は表皮の有無によって強く影響されるため
    (図2)、
    本剤の使用においては表皮の除去が最も重要なポイントとなる。
  2. 本剤はカルスの形成を阻害する傾向が強いので、
    もともとカルス形成が劣る衰弱樹に発生した胴腐らんの治療には適さない。
    また、銀葉病に対する防除効果は劣るので、発生地では使用しない。
  3. 本剤の有効成分は一般的に耐性菌を生じやすい性質を持っているので、
    再発病した場合は泥巻き法又はポリオキシン塗布剤、有機胴塗布剤、
    イミノクタジン酢酸塩塗布剤のいずれかを用いた削り取り法で再治療する。
URL http://agriknowledge.affrc.go.jp/RN/3010021629
カテゴリ 耐性菌 治療法 防除 薬剤 りんご

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