タイトル |
コアオメクラガメの発生消長 |
担当機関 |
山形県立園芸試験場 |
研究課題名 |
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研究期間 |
1995~1996 |
研究担当者 |
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発行年度 |
1996 |
要約 |
コアオメクラガメLygocoris(Apolygus)lucorumは、年3回成虫が発生し、ヨモギ等の寄主植物の組織内に産み込まれた卵で越冬する。
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背景・ねらい |
コアオメクラガメは、近似種ツマグロアオメクラガメと同様にウリ科作物や ナス、キク、ブドウ、オウトウ等の葉にせん孔性の被害を及ぼす 重要な害虫として知られているが、その詳しい生態については不明であった。 そこで、寄主植物の一つである雑草のヨモギにおいて、 すくい取り調査と越冬調査により、年発生回数等の発生消長を明らかにし、 また各発育ステージの形態を明らかにした。
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成果の内容・特徴 |
- 発生消長
コアオメクラガメは年3回成虫が発生し、発生消長は 図1にみるとおりである。
- ヨモギ等の枯れ株で越冬した卵は、4月末頃からふ化を始め、
5月下旬頃まで越冬世代幼虫が現れ、6月に越冬世代成虫が発生する。
- 7月に第1世代幼虫が現れ、8月に第1世代成虫が発生する。
- 9月に第2世代幼虫が現れ、9月下旬~10月下旬に第2世代成虫が発生する。
- 10月にヨモギ等の茎の組織内に第3世代卵(=越冬世代卵)が産まれ、翌春まで越冬する。
- 各発育ステージの形態(図2)
- 卵は、やや扁平なバナナ状で、黄色を帯びた乳白色、長さ1mm前後、幅0.2mm前後
である。卵はヨモギ等の組織に1個単独で産み込まれる場合から 数個連続して産み込まれる場合がある。
- 幼虫は黄緑色、体長1~4mmで、アブラムシに似るが、腹部背面に角状管がないことや
素早く歩行するので区別できる。
- 成虫はツヤのある緑色~黄緑色、体長5mm前後で、頻繁に飛翔する。
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成果の活用面・留意点 |
- コアオメクラガメの発生消長が明らかになり、防除技術開発研究の参考になる。
- 果樹園への成虫飛来時期、果樹での越冬場所について詳細は未だ不明の部分があるが、
オウトウ、ブドウ、リンゴでは、5月上旬~下旬に越冬世代幼虫による加害がみられる。
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カテゴリ |
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