タイトル |
水稲品種「かけはし」の生育・栄養診断基準と栽培法 |
担当機関 |
岩手県立農業試験場 |
研究課題名 |
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研究期間 |
1994~1994 |
研究担当者 |
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発行年度 |
1994 |
要約 |
水稲品種「かけはし」について、品質(整粒歩合80%以上・登熟歩合80%以上)・収量の安定化のための生育・栄養診断基準及び栽培法を策定した。
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背景・ねらい |
水稲品種「かけはし」は岩手県中北部の標高がおよそ 250~350mの地域及び北部沿岸のやませ地帯を対象として平成 4年度に奨励品種に編入された早生の耐冷良食味品種である。 当該地域は冷害常襲地であり品質的にも低位で品質・ 収量の安定化が大きな課題となっており、「かけはし」の品質・ 収量の安定化のための生育・栄養診断基準と栽培法について検討した。
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成果の内容・特徴 |
- 品質(整粒歩合80%以上・登熟歩合80%以上)・
収量安定化のための生育診断基準を次のように設定。
 - 栽培法
- 基肥窒素量は「たかねみのり」並とし、
多肥栽培は品質低下の原因になるので行わないこと (図1)。
- 追肥は幼穂形成期重点とし、追肥量は診断基準内であれば窒素成分で 2kg/10a
以内を基本とする(図2)。
- 栽植密度は22株/平方メートル程度を確保する
- 刈り取り適期は登熟積算気温(平均気温)が 950~1050度C(アメダス値)
の範囲内で刈り遅れによる品質低下(茶米・着色粒)に注意する。また、 「たかねみのり」に較べて籾の初期黄化が緩慢なので、 玄米の登熟状況を観察しながら、黄化籾割合80~90%を目安とする (図3・図4)。
- 「かけはし」のいもち病に対する圃場抵抗性は「たかねみのり」
より弱いので以下により防除を徹底する。
- 葉いもちの早期発見につとめ、発生初期からの防除を徹底する。また、
予防粒剤の水面施用を実施する場合は 6月20~25日ごろに行う。
- 穂いもち防除は出穂直前と穂揃い期の2回防除を基本とし、
葉いもちが多い場合や出穂~登熟が長引く場合には穂揃い 1週間前後の防除を追加する。
- 発育指数(DVI)による生育判断予測
発育診断予測のためのDVIパラメーターを次のとおりとした。
- ~幼穂形成期
 - 幼穂形成期~出穂期
 C,D: DVRtr(出穂時のDVI)を移植時葉齢の一次関数とした場合の係数 G: 当該品種の出穂までの最小日数、A: 温度係数、 Th: ある日長条件下での発育速度が最大値の1/2になる温度
- 栄養判断基準
栄養診断指標:期待生育量である平方メートル籾数を確保するための 栄養診断基準を以下のとおりとする。

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成果の活用面・留意点 |
- 本生育・栄養診断基準及び栽培法は、中成苗での栽培を基本とする。
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URL |
http://agriknowledge.affrc.go.jp/RN/3010021078 |
カテゴリ |
いもち病
栄養診断
水稲
抵抗性
凍害
品種
防除
良食味
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