動物プランクトンNeocalanusによる炭素の中深層貯蔵機能

タイトル 動物プランクトンNeocalanusによる炭素の中深層貯蔵機能
担当機関 独立行政法人水産総合研究センター東北区水産研究所
研究課題名
研究期間 2002~2006
研究担当者 桑田晃
高橋一生
小針統
小埜恒夫
津田敦
齊藤宏明
発行年度 2007
背景・ねらい
地球温暖化の原因物質である二酸化炭素は、海洋の生物活動によって海洋表層から深層に輸送される。この輸送機構には様々なものがあるが、動物プランクトンによる輸送に関しては測定の困難さから研究がされず不明のままであった。北太平洋亜寒帯域は、動物プランクトンが多く、その季節的鉛直移動によって中深層で越冬する種が多いため、動物プランクトンによる炭素輸送機能が高いと考えられる。本研究は、北太平洋亜寒帯域における炭素輸送量を定量的に評価し、海洋における炭素循環の精度向上に貢献する事を目的として行った。

成果の内容・特徴 北太平洋で優占する動物プランクトンのNeocalanusは、表層で成長した後、水深400-1500mの中深層で越冬・産卵するという鉛直移動を行い、この過程で二酸化炭素を海洋表層から深層に輸送・隔離している。北海道沖の海域で周年に亘る調査線観測により、1年間の炭素輸送量が4.3gC m-2であることが明らかになった。北太平洋における動物プランクトン生物量とその中に占めるNeocalanusの割合から、北太平洋全域でNeocalanusが輸送する炭素量は、二酸化炭素換算で年間5億9千万トンに達すると推定された。これは、日本が化石燃料燃焼によって放出する二酸化炭素量の46%にも相当する。動物プランクトンによる炭素輸送機能は、地球温暖化の将来予測に必要な、地球規模の炭素循環を検討する際に無視できないほど大きな役割を担っていることが明らかになった。

成果の活用面・留意点
炭素循環の精度向上への貢献および温暖化予測精度向上への貢献


URL http://agriknowledge.affrc.go.jp/RN/3010020482
カテゴリ 炭素循環 輸送

この記事は