開発した養殖礁によるアワビ類養殖試験

タイトル 開発した養殖礁によるアワビ類養殖試験
担当機関 東京都島しょ農林水産総合センター
研究課題名
研究期間 2002~2004
研究担当者 安藤和人 他
滝尾健二
発行年度 2006
背景・ねらい
養殖アワビは天然アワビに比較し漁獲制限が無く、計画的な生産と需要に応じた出荷が可能など、多くのメリットがある。しかし、伊豆諸島では養殖に適した波静かな入り江など天然の地形に恵まれず、また、陸上養殖では、施設の建設や維持管理に多大な経費を要するなど、その導入には多くの課題がある。そこで、漁港などの小規模な静穏域で行うことができる低コスト・高成長のアワビ類養殖技術を開発する。

成果の内容・特徴 1.コンクリート枠(外寸 縦1.6m×横1.6m×高さ0.5m)の中に、プラスチック製の網籠を設置し、付近の海底に転がっている石を詰め、上面に着脱可能な蓋をボルトで取り付け、陸上からの給餌が可能な仕組みを備えた「養殖礁」を開発した。

2.クロアワビ、メガイアワビ、フクトコブシの1歳貝と2歳貝の種苗各120個ずつ収容し、アワビ用配合飼料を与えて328日間養成した結果、平均殻長成長量はクロアワビ1歳貝105μm/日、同2歳貝99μm/日、メガイアワビ1歳貝112μm/日、同2歳貝94μm/日、フクトコブシ1歳貝91μm/日で、陸上飼育に比べ1.6~2.1倍の成長を示した。また、生残率も77.5~90.0%と高い値がえられた。なお、養殖礁飼育群と陸上飼育群の平均殻長について実験開始時と終了時のt検定を行ったところ、全ての種類で開始時に有意差はなかったが(p<0.05)、終了時には有意差が認められた(p<0.01)。

3.メガイワビ1歳貝を例に、養殖礁1礁当たりの収支計算を行ったところ、育成期間13ヶ月、育成サイズ殻長30mm~70mm、生産数1,000個とした場合、収入は25万8,462円、支出19万9,900円で、1礁当たり差し引き6万9,871円の年間利益が試算された。

成果の活用面・留意点
1.高成長で低コスト、省力化した貝類養殖技術として、漁港などを活用した貝類養殖への展開が期待できる。

2.生産性を高めるために、収容密度を高めるための養殖礁の改良や季節成長にあわせた効率的給餌体系の確立が必要である。


URL http://agriknowledge.affrc.go.jp/RN/3010020421
カテゴリ 出荷調整 低コスト 低コスト省力化

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