水産物未利用部位利用技術開発(水産練り製品原料魚)

タイトル 水産物未利用部位利用技術開発(水産練り製品原料魚)
担当機関 愛媛県工業技術センター
研究課題名
研究期間 2003~2005
研究担当者 逢阪江理
高井敏明
黒野美夏
佐々木嘉忠
中村健治
発行年度 2006
背景・ねらい
愛媛県では、地元で漁獲された生魚を主原料に加工された蒲鉾やじゃこ天等の練り製品が特産品の一つになっている。生魚を用いた場合、頭部・中骨・皮等は未利用部位(加工残渣)として処分されている。そこで、これら未利用部位の食品素材化等の利用技術を開発することは、原料コストの低減化が図れるとともに、未利用部位に含まれる機能性成分を生かすことで、企業経営に多大な貢献が期待できる。

成果の内容・特徴  熱水によるエソ皮からのゼラチン抽出について検討するために、エソ皮と抽出液中のヒドロキシプロリン(Hyp)量の測定を行った。エソ皮のHyp量は910mg/100gであった。原料と熱水比率を検討したところ、原料/熱水比率と抽出液中のHyp濃度は比例関係にあった(図1)。また、抽出温度55℃と85℃を比較した場合、85℃の方が抽出速度、量ともに顕著に多かった。

 オートクレーブを用いて、温度を121℃、時間を1~20分に設定して、高温高圧処理し、レオメーター(直径10mmのプランジャーを使用)で中骨の破断強度を測定した。1kg/cm2以上で加圧された時間と破断強度の相関関係が高かった(図2)。破断強度500g以下のとき、ペースト化が可能であった。

 エソ頭部、醤油麹、塩及び水を混合し、25℃で熟成して魚醤油を作製した。エソ頭部40%、醤油麹20%、塩15%及び水25%の配合で120日間熟成して得られた魚醤油(エソ醤油)と、一般的な醤油である大豆醤油と、代表的な魚醤油であるしょっつるの遊離アミノ酸について比較検討した。遊離アミノ酸組成は、醤油麹を使用しているため、エソ醤油はしょっつるより大豆醤油に類似していた(図3)。また、遊離アミノ酸を旨味、苦味及び甘味に分類し比較したところ、エソ醤油は多少苦味が多く、旨味と甘味が少ないが、加工残渣を原料としているにも関わらず、一般的な醤油や魚醤油に近い呈味であることが分かった(図4)。

 ゼラチンは蒲鉾へ、ペーストはてんぷらの増量材として、また魚醤油はてんぷらの調味料としての利用が可能であり、コラーゲン豊富な蒲鉾、カルシウム豊富なてんぷら及び旨みの豊富なてんぷらができた。

成果の活用面・留意点
 魚醤油については、19年度以降、水産練り製品の加工残渣や養殖魚の加工残渣を原料として、より美味しい魚醤油様調味料の研究開発を実施する計画である。


URL http://agriknowledge.affrc.go.jp/RN/3010020398
カテゴリ 加工 機能性成分 経営管理 コスト 大豆

この記事は