食品や食品添加物等を用いて魚類の受精卵や仔稚魚に標識を施す技術

タイトル 食品や食品添加物等を用いて魚類の受精卵や仔稚魚に標識を施す技術
担当機関 独立行政法人水産総合研究センター瀬戸内海区水産研究所
研究課題名
研究期間 2006~2008
研究担当者 太田健吾
発行年度 2006
背景・ねらい
現在,魚類の放流調査では,魚体へタグなどの標識票を装着したり,鰭の一部を切除・抜去する体外標識と,試薬で耳石を蛍光染色する体内標識を用いて,放流魚を標識している。しかし,体外標識では,タグが魚体から脱落したり,切除した鰭が再生して識別が困難になる点が,体内標識では試薬が高価なため,大量の仔稚魚を標識する場合は経済的負担が大きいという点が,問題となっている。また,近年は国民の「食の安全」への関心が高まっており,将来的には,いずれの標識でも,魚体に異物を装着する点で人体に対する安全性が危惧される可能性がある。このため,本研究では,標識剤に食品や食品添加物,漢方薬等を用いて受精卵や仔稚魚に標識を施す方法を検討した。

成果の内容・特徴 食用色素として広範に使用されているコチニール色素および漢方薬として使用されているシコニンでは,受精卵から仔稚魚に至るまで,マダイ,ヒラメ,オニオコゼ等の硬組織(耳石;図1,棘,軟条,鱗等)を蛍光標識できることを確認した(図2)。食用色素であるラック色素では,受精卵のみで硬組織を蛍光標識できることを確認した。食品添加物の竹炭パウダーや,食品,漢方薬として使用されている秋ウコン粉末を用いて,ヒラメ,マツカワ稚魚の無眼側に標識を装着することを試みた。各素材を外割で10%添加して高圧蒸気滅菌し,注射筒に充填後,いわゆる「えんがわ」部分や頬など空洞のある部分に注射した(図3)。いずれの魚種も注射直後に死亡する個体はなかった。ヒラメでは,注射1年経過後まで死亡が認められず,標識の識別が可能であった。現在,試験を継続中である。

成果の活用面・留意点
・食品添加物等の標識剤としての適性が明らかとなり,食の安全に配慮した標識が使用可能となる。

・安全,安価な食品添加物等を使用することにより,標識装着コストの低減が図れる。

・耳石等の硬組織の標識や肉眼で確認可能な標識が開発され,多様な標識法を組み合わせることにより,より多くの放流群を識別することが可能となる。


URL http://agriknowledge.affrc.go.jp/RN/3010020363
カテゴリ うこん コスト

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