養殖マダイの消化管内容物の時間的変化と給餌に伴う残餌・糞の負荷量について

タイトル 養殖マダイの消化管内容物の時間的変化と給餌に伴う残餌・糞の負荷量について
担当機関 和歌山県農林水産総合技術センター
研究課題名
研究期間 2001~2003
研究担当者 上出貴士
竹内照文
発行年度 2004
背景・ねらい 養殖漁場の底質は養殖漁場の環境を反映する良い指標となるが、そこに大きな影響を及ぼす残餌や糞として負荷される懸濁物の量が明らかにされていない。そこで、マダイを用いて消化管内容物の時間的変化や水槽実験によって残餌や糞の負荷量について検討した。
成果の内容・特徴
  • マダイでは胃内容物が24時間で給餌直後の4.5%になることから胃での滞留時間が24時間であることが示唆された。また、腸では給餌約3時間後に内容物が増加し、24時間後まで大きな変化はなかったが、それ以降直線的に漸減し、72時間後にほとんどなくなった(図1)。
  • 給餌に伴って排出される懸濁物はEP飼料で給餌量の7.7~21.8%(残餌:3.8~15.8%、糞:3.9~6.4%)、MP飼料で12.8~30.0%(残餌:10.1~19.2%、糞:2.6~10.8%)であることが明らかになった(図2)。
  • MP飼料はEP飼料に比べ乾重量にして残餌で3.27倍、糞で2.49倍、懸濁態排出物として2.98倍が排出され、養殖漁場へ与える負荷がより大きいことが明らかになった(図2)。
成果の活用面・留意点 マダイ養殖についての有機物負荷量の見積もりが可能になり、環境データと併用することで適正収容量等の推定および漁場環境の管理に役立てることができる。
カテゴリ 環境データ