東シナ海における生物起源物質の生産と輸送

タイトル 東シナ海における生物起源物質の生産と輸送
担当機関 西海区水産研究所
研究課題名
研究期間 1995~1996
研究担当者 井関和夫
岡村和麿
清本容子
発行年度 1996
要約 東シナ海の陸棚、陸棚斜面、沖縄舟状海盆において植物プランクトン量、基礎生産量、粒状有機炭素・粒状珪素濃度、濁度、セディメントトラップによる沈降粒子量の測定を行い、同海域における生物生産及び沈降過程を明らかにした。
背景・ねらい 近年、二酸化炭素の増加による地球温暖化、それに伴う海況変動、海洋生物資源への影響等が国際問題となってきている。このため、物質・エネルギーの巨大な貯蔵庫である海洋における炭素、窒素等の循環を解明することが急務である。地球規模の環境問題のため、これまでは面積的に大きな部分を占める外洋域を中心に研究が行われてきた。しかし、我国周辺の東シナ海、南シナ海、オホーツク海等の縁辺海は面積は小さいが、栄養塩が河川を通じて供給されることにより、生物生産性が高く、陸地から流入した物質が様々な変化を経て外洋へと供給される場所でもある。そこで、代表的な縁辺海として東シナ海をモデル海域に選び(図1)、最新の海洋観測機器・技術、係留系による調査を行い(図2)、東シナ海における物質循環機構の解明と縁辺海の外洋域に果たす役割を明らかにした。
成果の内容・特徴
  1. 陸棚域の基礎生産量は黒潮域よりも数倍以上高い。
  2. 陸棚が大気中CO2(二酸化炭素)のシンク(吸収域)になっている。
  3. 陸棚、黒潮における基礎生産物質の9割程度は有光層内で消費されている。
  4. 沖縄舟状海盆における沈降粒子量は深度とともに増加し、冬季から春季にかけて多く、夏季に少なかった。陸棚からの水平輸送が示唆される(図3)。
  5. 東シナ海の中央部における炭素循環像が把握された(図4)。
成果の活用面・留意点
  • 地球環境問題の解明:地球規模の炭素循環に果たす縁辺海の役割解明
  • 海洋汚染、漁場保全、水産資源の国際管理のための基礎資料:長江河川水(富栄養、汚染物質、高濁度)の海洋生態系への影響評価、基礎生産力の正確な見積による漁場生産力評価のための基礎資料の提供
URL http://agriknowledge.affrc.go.jp/RN/3010019526
カテゴリ 炭素循環 輸送

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