北西太平洋ニタリクジラの分布及び資源量

タイトル 北西太平洋ニタリクジラの分布及び資源量
担当機関 水産庁遠洋水産研究所
研究課題名
研究期間 1994~1998
研究担当者 加藤秀弘
岩崎俊秀
宮下富夫
島田裕之
粕谷俊雄
木白俊哉
発行年度 1994
要約 ニタリクジラは暖海性の鯨類で、西部太平洋では本州沿岸から西経157度に至る広い海域に分布するが、黒潮流域には棲息していない。黒潮流域以東のニタリクジラ(北緯7度から北緯43度)は、1980年代の後期まで商業捕鯨の対象となっていた北太平洋西部系群で、資源量は23,751頭と推定された。一方、黒潮流域以西の土佐湾や九州沿岸域にも本種がほぼ周年棲息し、これらは東シナ海系群に属するものと思われた。
背景・ねらい 我が国は国際捕鯨委員会の商業捕鯨停止の決定を受け1988年以降ニタリクジラの捕獲を停止している。同委員会は商業捕鯨対象種の見直し作業として包括的資源評価を実施し、1995年から北太平洋ニタリクジラについて開始した。作業の一貫として本種の系群識別と資源量推定が必要とされた。
成果の内容・特徴
  1. 過去7年間の鯨類目視調査の結果から、北西太平洋域におけるニタリクジラの夏季分布の北限は北緯43度付近、東限は180度を越えて西経157度付近、南限は北緯7度付近であることがわかった。また、黒潮流域内には分布しない(図1)。
  2. また、同目視調査から黒潮流域以東に分布する北太平洋西部系ニタリクジラの資源量を23,751頭(cv=0.20)と推定した。
  3. 目視調査と標識再補から、北太平洋西部系ニタリクジラは冬季には南緯1度から北緯25度に分布していることが判明した(図2)。
  4. 生物学的特性値(性成熟体長、肉体的成熟体長、妊娠率など)及びアイソザイム、ミトコンドリアDNAの分析結果から、かつての日本沿岸、小笠原周辺及び沖合漁場に来遊するニタリクジラは同一系群であると思われる。
  5. 鯨類目視調査の結果、土佐湾に沖合と分離したニタリクジラが周年分布し、九州沿岸にも類似した分布がある。
  6. 生物学的類似性から見ると、土佐湾のニタリクジラは北太平洋西部系群ではなく東シナ海系群に属する可能性が高い。
成果の活用面・留意点
  1. 国際捕鯨委員会科学委員会における北太平洋産ニタリクジラの包括的資源評価において北太平洋西部系ニタリクジラの分布、系群及び資源量について新たな知見を提供した。
  2. 北太平洋西部系ニタリクジラ資源の改訂管理方式適用に必要とされる調査計画作成のための知見を提供した。
URL http://agriknowledge.affrc.go.jp/RN/3010019422
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