新しい気化冷却装置による乳牛の防暑対策

タイトル 新しい気化冷却装置による乳牛の防暑対策
担当機関 愛媛県畜産試験場
研究課題名
研究期間 2000~2000
研究担当者 家木一
戸田克史
佐伯拡三
発行年度 2000
要約 本技術(ダクト細霧装置)は乳牛舎において送風ダクト直下に細霧ノズルを配置し、牛体への直接の送風ならびに牛体周辺局所の気化冷却を行うものである。この装置により夏季の体温上昇抑制、乳量、乳成分の向上が図られる。
背景・ねらい
一般的に防暑対策用に設置されている気化冷却装置は、牛舎内全体の温度の低下を目的としている。しかし、四国地域に多い牛舎形態である開放型牛舎では、冷却された空気が舎外の空気と短時間で入れ換わるためその効果は十分でない。そこで、より実用的な気化冷却装置(ダクト細霧装置)を開発する。この装置により乳価の高い夏期の生産性低下を抑制し、農家にとって直接の所得向上をめざす。
成果の内容・特徴
  1. 本装置は改良型気化冷却装置(九州農試開発)を参考に、導入コストを抑えるため送風機にダクト送風機を用いて、気化冷却装置と組み合わせたものである。ダクトを牛床 から2~2.5mに設置し、各牛に対してダクト送風口から20cm程度下に細霧ノズルを設置する。送風は連続運転、細霧は間欠運転(実験では30秒噴霧、90秒休止)を行う。高湿度時(雨天、夜間)には送風のみ行う(図1)。
  2. 本装置は牛体への直接送風と牛体周辺の局所的気化冷却を行うため防暑効果が高く、晴天時には牛体周辺の温度を2.4~6.8℃程度低下させることができる(表2)。
  3. 直腸温は正常な日内変動を示し、乾物摂取量、乳量、乳成分が増加する(表1、3)。
  4. 農家の実証試験では過去3年の牛群検定成績と比較して、8月の乳量は10~30%増加し夏季の受胎率も改善されている。
成果の活用面・留意点
  1. 本技術は繋ぎ飼い牛舎において有効な技術である。
  2. 既設の大型送風機等を通路上に移設し、十分な換気量を確保する。
  3. 住宅隣接地域では、ダクト送風機の騒音に注意して機種選定をする。また、十分な効果を得るために風速は牛の背上で2m/s以上確保する。
  4. 実験では噴霧は圧力20kg/cm2で行い、平均粒子は約60ミクロンであった。
  5. 四国4県で開発した夏バテ指標測定装置で本装置を制御することにより、乳牛の温熱 感覚による制御および間欠間隔や雨天時の対応等の自動運転が可能である。
  6. 運転費用は30頭規模の牛舎の場合、電力量が1日1頭当たり13.5円、水道使用料は2.1円であった。

URL http://agriknowledge.affrc.go.jp/RN/3010019366
カテゴリ コスト 乳牛

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