湧水を利用した花き等の低コスト冷房育苗装置

タイトル 湧水を利用した花き等の低コスト冷房育苗装置
担当機関 四国農業試験場
研究課題名
研究期間 2000~2001
研究担当者 川嶋浩樹
長崎裕司
的場和弘
野中瑞生
発行年度 2000
要約 開発した装置は、湧水を取水・ろ過・貯水したのち、落差を利用して育苗ハウス内に送水し培地を冷却できる。安定した低水温が得られるため冷房コストが低減でき、中山間傾斜地の高温期における花き等の低コスト苗生産が可能になる。
背景・ねらい
農業生産力の低下した中山間傾斜地においては、野菜・花き等の集約的生産による振興を図るために、湧水や昼夜温較差等の未利用資源を効率的に利用した低投入型生産技術の開発が必要である。そこで、傾斜地域に豊富な湧水を利用し、高温期に高品質苗を低コストで生産できる育苗装置を開発する。
成果の内容・特徴
  1. 供給する湧水に異物が混入するのを防ぐため、小石を詰めた簡易な取水箱を通して取水する。一次タンクで砂等の固形物を沈殿させ、さらに木の葉等のゴミは二次タンク入口ろ過網で除去する。水量調節バルブで二次タンクを常に満水に保つよう調節し安定した水量をハウスに供給する(図1)。
  2. タンクから育苗ハウスまでは落差を利用して送水する。配管は温度変化を小さくするため土中に埋設するか水道用の保温筒等を巻く。
  3. ハウスの床面はコンクリート舗装または止水シートを敷き湧水を深さ5cmで溜める。床面積1m2当たり流量0.2~0.3?/分で供給し、余剰水は速やかに排水する(図1)。
  4. 湧水プール内には、簡易な育苗ベッドを置き、その中にセル成型トレイを並べる(図2)。ベッド内は培養液を満たし湧水で冷却する。培養液の温度上昇は最高でも25℃以下にとどまる。
  5. 育苗ハウス内部は2重被覆にし、かつ全体を50~60%の遮光資材で覆う。湧水プールの効果により冷房機の消費電力量が低減する(表1)。
  6. 本装置によるトルコギキョウの5~7月の育苗では、自然換気状態で培地冷却を行うことで9~10月に高品質の切花を収穫できる(表2)。
成果の活用面・留意点
  1. 育苗ハウスの湧水プール床面の凹凸は±1cmの範囲におさめ、全体として排水口に向けて緩やかに傾斜させて舗装もしくは整地する。
  2. タンクとハウスとの高低差が5m以下でかつ送水距離が100mを超える場合は、必要な水量を確保するため呼び径が40A規格以上のパイプを利用する。
  3. 本装置は、高温期におけるトルコギキョウ、ラークスパー等の育苗に利用できる。
    山羊の衛生面や,繁殖等について適正な管理を行う。
  4. 冬季の草量不足の補完,ならびに棚田植生の安定化促進のため,牧草類を導入する。

URL http://agriknowledge.affrc.go.jp/RN/3010019329
カテゴリ 育苗 傾斜地 コスト 中山間地域 低コスト トルコギキョウ 繁殖性改善 未利用資源 山羊 ラークスパー

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