土壌・水保全を目指した傾斜樹園地の土壌表面管理

タイトル 土壌・水保全を目指した傾斜樹園地の土壌表面管理
担当機関 四国農業試験場
研究課題名
研究期間 1994~1994
研究担当者
発行年度 1994
要約  敷ワラ及びバーミューダグラス草生による土壌表面管理により、ミカン・茶等の傾斜樹園地からの肥料と雨水の地表流出量、土壌侵食量をごく低レベルに抑えることができる。
背景・ねらい  四国の急傾斜樹園地では、夏期の強雨による土壌侵食防止を主目的とした敷ワラ(敷草)は、慣行技術であったが、資材・労力不足から現在は施用は減少している。敷ワラや草生管理は、生産力の維持のみでなく、土壌や肥料分の流出による水質汚染の防止にも寄与している。この機能を定量的に把握・評価するため、傾斜ラインシータ(傾斜25度、斜面長3m、幅2m、深さ1.2〜2.4m)を用いて、温州ミカンと茶を栽培作物として試験を行った。
成果の内容・特徴
  1.  バーミューダグラスは、一番茶芽生育期、ミカンの開花期には、低温のため伸長少く、作物との養水分の競合はなく、平均気温24℃を超す梅雨期から旺盛に生育し土面を被覆する。

  2.  ミカンの幼木期に清耕区では、降水量に対し30%前後の地表流出水を生じたが、ミカン草生区のそれは10%前後、茶草生区と敷ワラの各区ではほぼ零にまで抑えられた。
  3.  敷ワラおよび草生区では、作付け1年目から土壌の流出はほぼ零になった。一方、清耕区からは当初30t/ha以上の土壌の流出をみたが、年次の経過に伴い減少した(図1)。
  4.  浸透水の降水量に対する割合は、敷ワラ管理で60〜70%、次いで草生、清耕であった。
  5.  窒素の全流出量に占める表面流出率は、25度の急傾斜の清耕区でも2〜20%と少ないが、敷ワラや草生処理は、それらをさらに0〜4%まで減少させた。
  6.  窒素の流出は浸透水に伴うものが大半を占め、浸透水量の多い敷ワラ区で最大となった。また施肥量の多い茶区では、土壌表面管理の女何に関わらず流出量が多い(図2)。
  7.  作物の生育量・収量については、初期には敷ワラ区が良く、草生区は、夏期の養水分吸収の競合による阻害的影響がみられ(表2)、ミカン区においては、後までその影響が残ったが、茶区では回復をみた(表3)
成果の活用面・留意点  傾斜樹園地での土壌侵食と肥料分の表面流出防止には、特に幼木期には、敷ワラ・草生管理が効果的である。しかし、草生管理には植物と草の養水分の競合に留意が必要である。また、水質汚染を考慮した施肥基準と施肥法の見直しが必要である。
(表1)
URL http://agriknowledge.affrc.go.jp/RN/3010019069
カテゴリ 温州みかん 施肥

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