投資による規模拡大と経済効率性の改善

タイトル 投資による規模拡大と経済効率性の改善
担当機関 農業総合研究所
研究課題名
研究期間 1993~1993
研究担当者
発行年度 1993
要約 投資の収益率には農家間で大きな分散が観察される。確率論的フロンティア関数を推計した結果、こうした分散が、規模の経済性を考慮した規模拡大率と、経済効率性の変化によって説明されることがわかった。
背景・ねらい ミクロ・データを使った分析で、投資の実質収益率に分散が現れる
ことは必然であり、利子率を基準とすれば、それは資金の償還分を
超える利潤を得た農家と、そうでない農家の技術水準ないし経営者
能力の差異を意味している。分析の目的は、投資収益率の分散が個
別農家に特殊な事情や、まったくの偶然に起因するものではないこ
とを示すことにある。
成果の内容・特徴
  1. 確率論的フロンティア費用関数を計測するため、推計式の誤差構造
    を仮定し、関数推計に必要な尤度関数を特定化した。また、個々の
    観察データごとに定義される経済効率性を定式化した。
  2. 稲作、酪農、肉用牛経営について、規模弾力性を冪指数とする規模
    拡大率と経済効率性の変化が、投資の実質収益率の分散を説明して
    いる。また、投資事業前における技術選択が非効率的であった農家
    ほど、事業後の経済効率性の改善幅は大きい。つまり、農家の技術
    選択は規模拡大の過程で、最適なものへと接近した。
    (表1)
  3. 経済効率性は、酪農では労働生産性と正の相関をもち、肉用牛では
    経常投入財の生産性と正の相関をもつ。
  4. 酪農では計画生産の下で、経済効率性を低下させている農家が存在
    している。この根本的な原因は投資のタイミングが家族経営におけ
    るライフ・サイクルとうまく合致しなかったことにある。一方、こ
    こで取り上げられた肉用牛経営に期待される今後の展開方向は、規
    模拡大によりはむしろ経済効率性の改善である。
    (図1、2)
成果の活用面・留意点 ここで標本として取り上げられた農家は、比較的大規模な自立経営
である。本分析は新政策に謳われている「新しい経営体の育成」に
ついても、多くの示唆を与えるものと思われる。
URL http://agriknowledge.affrc.go.jp/RN/3010018766
カテゴリ 規模拡大 経営管理 肉牛 乳牛

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