地下水位調節システムFOEASによる一筆水田の水稲栽培時の節水効果

タイトル 地下水位調節システムFOEASによる一筆水田の水稲栽培時の節水効果
担当機関 (独)農業・食品産業技術総合研究機構 農村工学研究所
研究課題名
研究期間 2006~2008
研究担当者 若杉晃介
藤森新作
北川 巌
発行年度 2008
要約  FOEASは水位管理器による自動取水および水位制御器による無効放流の防止により、水稲栽培時の節水効果を有する。鹿児島県の灰色台地土地区における一筆水田の用・排水量は、対照圃場と比べて用水量で約40%削減、排水量で約70%減少する。
キーワード 地下水位調節システム、水田用水量、排水量、水位管理器、水位制御器
背景・ねらい  田畑輪換においては、地域の水利用実態を把握し適切な用水計画を策定する必要がある。FOEASは地下水位調節により田畑輪換を容易にするとともに、地下灌漑機能により、直播水稲や転作作物の安定多収を実現する技術として注目されている。一方で、FOEASが一筆水田の用水量に与える影響は明確になっていないため、現地圃場を用いて、水稲栽培時の用・排水量などを観測・分析し、今後の用水計画の基礎資料とする。
成果の内容・特徴
  1. FOEASは暗渠排水と地下灌漑の機能を併せ持ち、湿害と干ばつを回避し各作物に最適な地下水位の維持を可能とする。水位コントロールは水口側に設置された水位管理器と排水路側に設置された水位制御器によって、電力などの動力を使わずにできる。
  2. 鹿児島県蒲生町の圃場整備済み水田において、30aのFOEAS施工圃場と近接した調査地区での一般的な水管理を行う20aの対照圃場を調査地に選定し、用・排水量及び減水深、降水量を計測する。
  3. 中干し後の8月7~8日の日当たりの一筆減水深はFOEAS圃場が49.1mm、対照圃場が47.9mm、N型減水深測定器による日浸透量は33.9mmと33.5mmでほぼ近似している。
  4. 総用水量はFOEAS圃場が460.0mm、対照圃場が765.7mmでFOEAS圃場は対照圃場よりも約40%削減する(図1、4)。期別に見ると水位管理器による自動取水を行わない代かき期は同程度であるが、普通期は対照圃場において掛け流しが発生する。また、7月下旬~8月上旬に中干しを実施するため、圃場全体の地下水位が低下するが、FOEAS圃場は中干しを省略する栽培体系のため、その間の用水量は増加する(図2)。
  5. 総排水量はFOEAS圃場が171.9mm(表面排水量61.1mm、暗渠排水量110.8mm)、対照圃場が548.9mmで、FOEAS圃場は表面排水量が大幅に減少する(図3、4)。
成果の活用面・留意点
  1. 用・排水量は栽培方法や土壌、立地条件、気候などによって変化することから、今後データ蓄積を必要とする。
  2. 現在、FOEAS施工は全国で23地区、約2,000haで採択、今後の普及も見込まれており、ここでの観測記録は当該地区と類似した地区における用・排水計画の目安となる。
  3. FOEASは自然圧による灌漑も可能であり、老朽化した開水路を自然圧パイプライン化することによって、漏水や無効放流が防止される。
URL http://agriknowledge.affrc.go.jp/RN/3010018695
カテゴリ FOEAS 栽培体系 湿害 水位調節 水田 水稲 水管理

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