シミュレーションによる比抵抗トモグラフィ法における効果的な電極配置

タイトル シミュレーションによる比抵抗トモグラフィ法における効果的な電極配置
担当機関 (独)農業工学研究所
研究課題名
研究期間 2003~2004
研究担当者 森 充広
増川 晋
渡嘉敷勝
長束 勇(島根大学)
石村英明(北陸農政局)
発行年度 2004
要約 フィルダム築堤時にあらかじめ電極を埋設し、電流の流れにくさ(比抵抗)の変化によって堤体遮水材の異常部を監視する比抵抗モニタリングでは、遮水材を二重に取り囲むように下流側にも電極を設置することによって、比抵抗異常をさらに精度よく特定できる。
キーワード
フィルダム、比抵抗、遮水材、比抵抗モニタリング
背景・ねらい 埋設計器による挙動観測や周辺地山ボーリング孔の水位観測などによる従来の盛土構造物内部の安全管理技術を面的に補完するため、フィルダム築堤時にあらかじめ内部に金属片(電極)を埋設して電流を流し、遮水材内部の比抵抗異常をモニタリングする比抵抗トモグラフィ法によるフィルダム安全管理技術の適用に際して、比抵抗異常検出のための効果的な電極配置を数値実験によって明らかにする。
成果の内容・特徴
  1. 遮水材底部に、水平距離20m、高さ2mの低比抵抗異常部を想定し(図1)、この比抵抗異常を効果的に検出できる電極配置に関するシミュレーションを行った。電位分布の計算には有限要素法を、逆解析には重み付き最小二乗法を利用した。
  2. ケース1として、堤体上流側と遮水材内部を取り囲むように電極を配置(図1の青、緑、黒)し、有限要素法によって計算した電位分布に±5%の正規分布ノイズを加えた値を便宜上測定機による観測値と見なした。この観測値を逆解析して比抵抗構造を求めた結果、モデルで仮定した位置に低比抵抗部が検出できた。しかし、比抵抗値は仮定した比抵抗値より高い値を示した(図2左)。
  3. 次に、ケース2として、堤体下流側に電極(赤色)を配置し、かつ総電極数をケース1にあわせるよう堤体遮水部周辺の電極を標高8m間隔で設置(図1の黒色電極のみを採用)し、同様の解析を行った。その結果、低比抵抗部の位置がケース1と比較しても良好に再現でき、比抵抗値も50~65Ω・mとして求められた(図2右)。
  4. さらに、すべての電極を配置したケース3について、同様の解析を実施した結果、比抵抗異常の位置やその値が正確に再現された(図3)。以上のことから、堤体下流側に電極を配置することにより、比抵抗異常の検出精度が高まることが確認できた。
  5. 本技術を導入している東北農政局管内の実証試験フィルダムでは、築堤後5年を経過しているが、断線などの欠陥はみられず所要の耐久性を有している。また、比抵抗変化率に差異は認められず、堤体の安定性が確認できている。
成果の活用面・留意点 本技術の適用に当たっては、モニタリング期間中に想定される現象により、どの程度の比抵抗値の相違が見込まれるかについて、土質試験用供試体を用いた比抵抗観測などの予備試験を行い、導入の効果を事前に把握しておく必要がある。
URL http://agriknowledge.affrc.go.jp/RN/3010018511
カテゴリ 安全管理 モニタリング

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