洪水の流入防止のための無動力止水ゲート

タイトル 洪水の流入防止のための無動力止水ゲート
担当機関 (独)農業工学研究所
研究課題名
研究期間 2001~2004
研究担当者 向井章恵
田中良和
島 武男
樽屋啓之
日本工営株式会社
豊国工業株式会社
発行年度 2004
要約 洪水時に水路の水位が上昇すると自動的に閉まり、洪水後に水位が低下すると自動的に開く無動力止水ゲートのプロトタイプを製作し、実験によって作動特性を明らかにした。
キーワード
無動力止水ゲート、プロトタイプ、作動特性
背景・ねらい 過疎化・高齢化の進む中山間地域では、水利施設を高齢者が管理していることが多く、その労力は大きい。とくに、渓流取水工から連なる山腹の用水路では、受益地への洪水流の流入を防ぐためのゲート管理が要求されるが、高齢者が洪水発生時にゲートを直接操作するのは危険である。そこで、省力・安全管理を目的としたゲートの実用化に向け、洪水時に水路内の水位が上昇すると自動的に閉じて全量をカットし、洪水後に水位が低下すると自動的に開いて送水を開始する無動力止水ゲートのプロトタイプを製作し、作動特性を水理実験によって明らかにした。
成果の内容・特徴
  1. 中山間地における無動力止水ゲートと受益地の位置関係を図1に示す。閉鎖時に生じる余水は放水路から河川に放流する。
  2. 水路幅70cm、高さ1m、勾配1/3700の水路に設置することを想定し、鋼製のプロトタイプゲート(図2、3)の設計・製作を行った。ゲートは、ヒンジを中心として上流側の扉体と下流側のカウンターウェイトがバランスを取る構造となっている。扉体の開口高さh0は、洪水の規模に応じてウェイトの増減で変化させる。水路底にはゲートの閉鎖時の衝撃を緩和するゴム、水路側壁には風などの影響を考慮し、ゲートのバランス時の状態を固定するストッパーを取付ける。
  3. ゲートの閉作動は、ヒンジを中心として上流側で生じる閉方向のモーメントMcが下流側で生じる閉方向のモーメントM0を上回ると開始される。閉作動が開始されるための条件を示す実験計数α(M0/Mc)を求めるために、開口高さh0を22~52cmに設定した6ケースの実験を行った。実験の結果、扉体にかかる水深h1は10~24cm、扉体上流の流速νは25~38cm/sの範囲で変化し、αは1.01~1.04となった。また、閉作動開始から閉鎖までの所要時間は3~8秒であった。
  4. ゲートの開作動はプロトタイプの条件では扉体の上下流の水位差が2~3cmとなった時に開始された。
成果の活用面・留意点 本ゲートは土砂の流入防止にも有効である。その場合、ゲートの開口部に土砂やゴミが堆積するとゲートの作動が困難となるため、沈砂池やスクリーン等の併設が望ましい。
URL http://agriknowledge.affrc.go.jp/RN/3010018510
カテゴリ 安全管理 中山間地域 水管理

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