放牧利用田の土壌構造と復田方法

タイトル 放牧利用田の土壌構造と復田方法
担当機関 (独)農業工学研究所
研究課題名
研究期間 2003~2004
研究担当者 太田弘毅
加藤 敬
谷本 岳
発行年度 2004
要約 現地聞き取りとアンケート調査、及び土壌物理性調査によると、放牧によって土壌硬化が生じた場合は荒起こし回数の1回増、また、畦畔の漏水防止や水稲根腐れ防止対策を行うと、復田が可能である。
キーワード
土壌硬化、畦畔の漏水防止、水稲根腐れ防止、復田
背景・ねらい 近年、遊休・耕作放棄地へ牛等を放牧して野草を採餌させ、飼料の節減を図るとともに、除草に係る労働力不足を畜力で代替させつつ、省力的に農地の管理・再生を図る動きが見られる。この場合、中山間地域の零細な畜産農家は十分な放牧地を所有しがたい傾向にあるため、耕種農家の遊休・耕作放棄地を借りて放牧することも多い。
一方、耕種農家は放牧に伴う土壌硬化、復田時の管理作業の増加や水稲収量の減少等の懸念を抱いており、このことが農地貸借の妨げとなっている。そこで、放牧が土壌の物理性に及ぼす影響、ならびに復田時の圃場管理法を明らかにする。
成果の内容・特徴
  1. 現地調査とアンケート調査(福島県以西の40府県に調査用紙を送付し、24府県より回収、回収率60%)によると、電気牧柵は畦畔から50cm位離して設置し、牛が畦畔や法面を歩行しないように工夫され、特段、水田補修の必要はなく、圃場面の凹凸の発生も少ない。
  2. 茨城県と熊本県における現地調査によると、放牧を行った水田は、牛の踏圧により土壌硬度、仮比重、固相率が深さ0~5cmで3割、10~15cmで1割程度の増加が、また、粗孔隙量の減少と透水性の低下が見られた(図1)。なお、放牧状況は、茨城県が30aに成牛2頭を52日間放牧、熊本県は50aに成牛2頭を60日間放牧であった。
  3. 現地調査とアンケート調査(計7地区)によると、復田時の圃場管理では、(1)無暗渠の壌土や植壌土水田における、土壌硬化に伴う荒起こし回数の1回増(2地区)、(2)入念な畔再生や畔シートの設置による漏水防止(2地区)、(3)前植生の分解時に発生する土壌ガスに起因する水稲根腐れ防止のための浅水灌漑や排水溝切り(3地区)、(4)前植生残さの分解促進のため、早期荒起こしが必要になる場合がある(1地区)(代表事例が表1)。
  4. 復田と慣行法(水稲連作時)の用水量、水稲の生育状況、収量は同等である(表1)。
成果の活用面・留意点 耕種農家が抱く農地貸借に係る懸念を緩和させ、市町村等の仲介業務の一助となる。復田時に、前植生の分解ガス発生に起因する水稲根腐れ防止に、留意しなければならない場合がある。
URL http://agriknowledge.affrc.go.jp/RN/3010018503
カテゴリ 除草 水田 水稲 中山間地域 圃場管理

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