貯蔵施設内気流に関する環境の評価を支援する可視化手法

タイトル 貯蔵施設内気流に関する環境の評価を支援する可視化手法
担当機関 農業工学研究所
研究課題名
研究期間 1995~1996
研究担当者 五十部誠一郎
佐瀬勘紀
大谷敏郎
奥島里美
発行年度 1996
要約 貯蔵施設内気流分布の評価のための流体解析システムの開発を目指す。そのシステムにおいて必要な気流のコンピュータグラフィックスによる可視化部分を開発した。3次元的に複雑な流れとなる施設内気流を任意の物理量(平均流速やエネルギー量等)について任意の視点からベクトル分布、スカラー分布、パーティクルの動きにより観察できることから、各種貯蔵施設の気流に関する環境の評価に有用であることが確認できた。
背景・ねらい  農産物の品質を保持しつつ、大規模かつ長期の貯蔵・予冷・輸送を達成するためには、最適環境を時間的かつ空間的に均一に維持するための環境制御技術が不可欠である。貯蔵施設内環境の設計制御を行なうには、施設内環境を施設形状や空調設備の形態、吸・排気系の形態などの施設自体の条件や、農産物の配置・量などの内部の条件と関連づけて体系的に解析、評価するための流体解析システムが有用と期待される。ここでは、システムにおいて必要な、結果の可視化部分をまず開発し、施設自体の条件を変化させた場合の施設内気流に関する環境の評価の支援が可能であることを確認する
成果の内容・特徴
  1. 将来の新機能の付加や別機能との連結が容易な拡張性のあるシステムとするため、貯蔵施設内気流の数値シミュレーション結果の可視化部分をAVS(Application Visualization System)を用いた単位部品ネットワークとして作成した(図1)。
  2. 北海道で青果物貯蔵によく用いられるタイプの貯蔵施設を対象として、k-ε型2方程式モデルによる3次元乱流場の数値シミュレーションを行った。吸・排気系の形態が施設内気流分布に及ぼす影響を体系的に比較、評価でさるように、吸込及び吹出ダクトの長さを変化させて数値計算を行い、計算結果のベクトル、スカラー分布及びパーティクルの動きを可視化表示した。
  3. この表示を用いて、気流分布の比較・検討を試みた。例えば、ベクトル分布からは天井から吹出された気流が天井面から側壁面を下降し、床面に沿って流れ、対照面を上昇する循環流として見られた(図2)。また、ベクトル分布からは気流の分布パターンに大きな違いが見られない場合でも、平均気流のエネルギー量の分布から比較が可能であった(図3)。
  4. また、施設内の任意の発生源からパーティクルを飛ばして、その動きをアニメーション表示することにより、エチレンガスなど貯蔵物にとって有害な物質の残留時間や滞留場所を比較することができた(図4)。
成果の活用面・留意点 本手法により、吸・排気系の形態や施設形状等の施設自体の各条件下での貯蔵施設内気流に関する環境の評価が容易となる。今後、農産物コンテナの配置や量、さらに農産物の生理特性等も含めた内部条件と施設内気流環境を関連づけることのできるシステムが必要である。
URL http://agriknowledge.affrc.go.jp/RN/3010018235
カテゴリ カラー 環境制御 輸送

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