オーキシンの移動阻害によるトマト果実の生理障害誘起

タイトル オーキシンの移動阻害によるトマト果実の生理障害誘起
担当機関 野菜・茶業試験場
研究課題名
研究期間 1995~1996
研究担当者
発行年度 1997
要約 オーキシンの移動阻害剤である、トリヨード安息香酸を含むラノリンペーストを果柄に塗布することで、環境条件を操作する必要なくトマトの空洞果、尻腐れ果等の生理障害を誘起できる。
キーワード オーキシン、移動阻害剤、トリヨード安息香酸、果柄、塗布、トマト、空洞果、尻腐れ果、生理障害
背景・ねらい 高いオーキシンレベルがトマト果実の空洞化を引き起こすことが試験管内の実験で確認されているが(Asahira and Hosoki, 1977)、これを通常の栽培状態で実証するには、対照と同じ環境で空洞果を発生させるなど、環境要因の影響を除く必要がある。そこで、オーキシンの極性移動阻害物質であるトリヨード安息香酸(TIBA)を用い、花器あるいは果実からのオーキシン(インドール酢酸、IAA)の流出を阻害することでこれらのオーキシンレベルを高める実験系を開発する。
成果の内容・特徴
  1. TIBAを1%程度含むラノリンペーストを果柄に塗布する処理(以後、TIBA処理とする)を行った後、トマトトーンで結実させると、果実のサイズ(縦横径平均)や重量は対照(TIBAを含まないラノリンペースト塗布)と大差ないが、 空洞果の発生率が顕著に増加する (表1)。 このときの果実内のオーキシンレベルはTIBA処理区で高く(図1)、試験管内と同様の実験結果が通常の栽培状態でも得られる。
  2. TIBA処理は振動受粉で結実させた場合でも、空洞果の発生率を高める。また、種子の生育を抑制する(表2)。
  3. TIBA処理による尻腐れ果の発生率が高くなる(表2)。
  4. TIBA処理は、処理作物を対照作物と全く同じ環境条件下において栽培できるため、実験に際して気象、水などの環境要因の影響を排除できる利点がある。
成果の活用面・留意点
  1. オーキシンと果実の発育障害との関係に関する参考資料となる。例えばカルシウム欠乏の一症状である尻腐れ果がTIBA処理で多く発生した結果は、オーキシンの移動とカルシウムの移動には密接な関係があるという説(de Guzman and dela Fuente, 1984)を裏付けるものである。
  2. 本実験方法を実験系に組み入れることで、果実の発育および生理障害発生のメカニズムの解明に活用できる。
URL http://agriknowledge.affrc.go.jp/RN/3010018006
カテゴリ 受粉 生理障害 トマト

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