カイコ培養細胞への安定的な外来遺伝子の導入

タイトル カイコ培養細胞への安定的な外来遺伝子の導入
担当機関 蚕糸・昆虫農業技術研究所
研究課題名
研究期間 1999~1999
研究担当者
発行年度 1999
要約 DNA型のトランスポゾンであるpiggyBacにGFP(緑色蛍光タンパク質)遺伝子を挿入したベクターを利用して、カイコ胚子由来培養細胞株NISES-BoMo-DK10に外来遺伝子を安定的に導入できる。
背景・ねらい 昆虫の培養細胞に外来遺伝子を導入して、異種蛋白質を生産する系としてバキュロウイルス遺伝子発現系が作出されているが、この系では遺伝子の永続的な発現は期待できない。そこで、鱗翅目昆虫の培養細胞に外来遺伝子を導入する手法として、バキュロウイルス系以外の系を開発する。具体的には遺伝子導入用ベクターを開発し、そのベクターを用いて培養細胞に外来遺伝子を導入して形質転換細胞系を作出するとともに、異種生物由来の蛋白質を効率的に生産する技術を開発する。
成果の内容・特徴
  1. 蚕品種「大造」の胚子由来の培養細胞株(NISES-BoMo-DZ)から良好な増殖性やホルモン感受性を示すクローン株NISES-BoMo-DK10を樹立し、この細胞に外来遺伝子を効率的に導入するためトランスフェクションの条件を最適化した。さらに、薬剤耐性マーカーを用いることにより外来遺伝子を安定的に導入することが可能となった(図1)。
  2. DK10細胞に最適化された条件下で、トランスポゾンpiggyBacの末端逆位配列の間にGFPを導入したベクターをヘルパーとともにトランスフェクトし、6~7回細胞分裂したところで蛍光顕微鏡観察をしたところ、ヘルパー無しの時に比べ明らかに多くの細胞がGFPに由来する緑色蛍光を発していた(図2)。
  3. 以上の結果から、piggyBacは鱗翅目昆虫細胞の形質転換に利用可能であることが示された。
成果の活用面・留意点 今回確立した系を応用して、薬剤耐性マーカーとトランスポゾンを組み合わせることにより、より高い効率で短期間に形質転換細胞株を樹立できると期待される。またこの技術は他の鱗翅目昆虫細胞にも応用可能であると考えられる。
URL http://agriknowledge.affrc.go.jp/RN/3010017855
カテゴリ カイコ 品種 薬剤耐性

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