エビガラスズメ幼虫の体色変異を利用した幼若ホルモンの高感度バイオアッセイ系

タイトル エビガラスズメ幼虫の体色変異を利用した幼若ホルモンの高感度バイオアッセイ系
担当機関 蚕糸・昆虫農業技術研究所
研究課題名
研究期間 1995~1998
研究担当者 霜田政美
木口憲爾
発行年度 1995
要約 実験昆虫エビガラスズメの幼虫の体色変異現象に着目し、その発現に及ぽす外的及ぴ内的要因を明らかにした。同現象は幼若ホルモンによって支配されており、幼若ホルモンの高感度バイオアッセイ系として有効である。
背景・ねらい 人工飼料による通年飼育体系を確立したエビガラスズメ(学名:Agrius convolvuli)の幼虫には緑~黒色の体色変異現象が知られていたが、その発現に及ぽす外的・内的要因は判明していなかった。そこで本現象の発現調節機構の解析を進め、そのなかで内分泌的に幼若ホルモンの支配を受けていることが示されたため、幼若ホルモン高感度バイオアッセイ系の開発を推進する。
成果の内容・特徴
  1. エビガラスズメの体色は4、5齢幼虫において連続的多型性を示すが、本研究ではクチクラの黒化度によって5段階に点数化した(図 1)。環境要因として、高飼育密度では黒化個体(図 1、V)の出現頻度が増すことから、個体間の相互刺激が体色変異に重要であることが示唆された。また、30℃以上では黒色個体のクチクラは茶褐色を呈すことから、温度も一つの要因であった。
  2. 体色変異の内的要因を探る.ために、頭胸間および腹部体節の結紮実験を行ったところ、脱皮幼虫の結紮部より前部は緑色、後部は黒色となった。結紮個体の遊離腹部に対してメソプレンを塗布したところ、濃度依存的に緑色化が引き起こされた(図 2)。
  3. 遊離腹部の幼若ホルモンバイオアッセイ系としての可能性を探るため、数種の幼若ホルモン類縁物質の塗布実験を行ったところ、いずれも濃度依存的な反応を示し(図 3)、感度が極めて鋭敏(Pyriproxyfenでは数十pgを検出)であることが明らかとなった。
成果の活用面・留意点 幼若ホルモンの高感度バイオアッセイ系として有効なことから、今後幼若ホルモン類縁物質の農薬への開発研究に利用できる。また、相変異は害虫の個体群動態に関わる重要な間題であり、本現象解明の実験昆虫としての利用が期待される。
カテゴリ 害虫 農薬

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