メキシコで収集した桑から発見された6倍体

タイトル メキシコで収集した桑から発見された6倍体
担当機関 蚕糸・昆虫農業技術研究所
研究課題名
研究期間 1991~1994
研究担当者 片桐幸逸
発行年度 1993
要約 メキシコ中・北部で収集した桑の形態的形質、染色体数、酸性側パーオキシダーゼアイソザイムのタイプを調べたところ、中部で収集した桑から6倍体が7系統発見された。これらの6倍性桑は類似した形態的形質を示し、既存の分類に当てはまらないのみならず、新たなアイソザイムのタイプ(Ⅶ型)を示すものも発見された。
キーワード メキシコ中・北部で収集した桑、6倍体、既存の分類に当てはまらない、新たなアイソザイムのタイプ(Ⅶ型)
背景・ねらい 桑遺伝資源の導入は、中国、朝鮮半島、東南アジア、中近東、北米、南米などの10数カ国から行われており、導入された遺伝資源は生理・形態的形質が調査された後、遺伝分析や育種の素材として利用されている。これらの遺伝資源の中にはタイから導入されたシャムグワのように生育や再発芽が旺盛で、挿木発根性に優れたものもある。このシャムグワにわが国に生育するカラヤマグワやログワを交雑して得た実生は、生育が良好で、再発芽や挿木発根性には優れているが、耐寒性に劣り、実用にはいま一歩である。小泉(1917)によって、メキシコには、エノキグワ、ヒメグワ、ヤワラグワの3種が分類することが記載されているが、これまで探索・収集が行われた形跡がない。また、メキシコは熱帯に位置するが、桑が生育しているとみられる中部の丘陵地帯や北部は温帯性の気候と考えられ、比較的寒さに強く、わが国の気候にも適する桑遺伝資源が得られ易いと考えられたので、1992年11月から12月にかけてこの地域を探索し、50系統の桑遺伝資源を収集した。収集した桑遺伝資源を翌春接木増殖し、活着した48系統について、夏から秋にかけて、形態的形質、染色体数、酸性側パーオキシダーゼアイソザイムのタイプを調査したところ、6倍体で形態的形質、アイソザイムのタイプに特徴がある桑を発見した。
成果の内容・特徴
  1. メキシコで収集した48桑系統の幼葉先端(体細胞)の染色体数を調べたところ、7系統は84本の染色体をもつ6倍体であった。
  2. これら7系統の6倍体について、酸性側パーオキシダーゼアイソザイムのタイプを調べたところ、6系統はA7位置のみに主バンドをもつⅠ型であったが、残りの1系統はA6、A7、A8のいずれの位置にも主バンドをもつ新たなアイソザイムのタイプ(Ⅶ型)を示した。
  3. これらの桑の形態的形質を調べたところ、枝条が緑褐色、葉は五角形、小型で葉先は長尾状、葉底は直線状であって、葉鋸歯が穀針状であるなどの特徴を示し、これらを総合した形態的形質を示す桑は小泉(1917)の分類には見当たらず、新たな種である可能性も考えられる。
成果の活用面・留意点 花器の形態などを調査し分類上の位置付けを明らかにするとともに、収量、再発芽性、挿木発根性、病害抵抗性などの実用形質を明らかにする必要がある。
URL http://agriknowledge.affrc.go.jp/RN/3010017729
カテゴリ 育種 遺伝資源 耐寒性 病害抵抗性

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