葉緑素計を用いたイタリアンライグラスの硝酸態窒素濃度の簡易診断

タイトル 葉緑素計を用いたイタリアンライグラスの硝酸態窒素濃度の簡易診断
担当機関 上席研究官
研究課題名
研究期間 2004~2007
研究担当者 須永義人
川地太兵
畠中哲哉
江波戸宗大
原田久富美
発行年度 2004
要約 出穂期のイタリアンライグラスの止葉における葉緑素計の指示値(SPAD値)を用いて、飼料作物中の硝酸態窒素濃度の基準値0.2%を上回るか否かを立毛状態で判定できる。SPAD値が47を超える場合は硝酸態窒素濃度が0.2%を上回る可能性が高い。
キーワード イタリアンライグラス、硝酸態窒素、診断、葉緑素計、土壌肥料
背景・ねらい 飼料作物中に高濃度で蓄積した硝酸態窒素(NO3-N)は反すう家畜の硝酸塩中毒の原因となる。そのため、飼料作物中のNO3-N濃度の低減技術とともに、NO3-N濃度の簡易診断技術が求められている。一方、NO3-Nの蓄積は植物体の窒素栄養によって影響される。葉緑素計は植物体の窒素の栄養状態が葉のクロロフィル含量に反映することを利用して、水稲等の栄養診断で使用されている。そこで、代表的な冬作飼料作物であるイタリアンライグラスについて、葉緑素計を用いたNO3-N濃度の簡易診断法の開発を試みる。
成果の内容・特徴 1.
1999、2001、2002、2003年10月初旬から翌年5月上旬まで、様々な条件(条播、散播、異なる施肥管理等)で栽培したイタリアンライグラス(品種ニオウダチ)を一番草として出穂期に収穫した。NO3-N濃度は全窒素(TN)濃度が1.5%程度までは上昇がゆるやかであるが、それ以上では急激に上昇する(図1)。
2.
出穂期のイタリアンライグラスの止葉10枚について、葉身の中央付近を葉緑素計(コニカミノルタ、SPAD-502)を用いて収穫前に立毛状態で測定し、平均した。その指示値(SPAD値)とTN濃度とは二次回帰式で説明できる関係にある(図2)。
3.
出穂期のイタリアンライグラスのNO3-N濃度は、SPAD値と図3に示す関係にある。反すう家畜の硝酸塩中毒を防ぐための飼料作物のNO3-N濃度の基準値0.2%を上回る試料はいずれもSPAD値が47を超える(図3)。
4.
イタリアンライグラス10品種について、SPAD値47を基準値とし、出穂期に葉緑素計を用いて診断を行った結果、基準値を上回るほとんどの試料はNO3-N濃度が0.2%以上であり、ニオウダチ以外の品種についてもほぼ適用可能である(図4)。
5.
以上、出穂期におけるイタリアンライグラスの止葉のSPAD値が47を超える場合は、NO3-N濃度が0.2%以上である可能性が高いと診断できる。
成果の活用面・留意点 1.
イタリアンライグラスの一番草(出穂期収穫)のNO3-N濃度の簡易診断法として利用できる。
2.
SPAD値が基準値47以上の場合は、必要に応じてNO3-N濃度の精密分析を実施する。0.2%以上と診断された場合は、給与量を制限する等の対策を講ずる。また、供試品種は全て2倍体品種であるため、4倍体品種については検討が必要である。
URL http://agriknowledge.affrc.go.jp/RN/3010017450
カテゴリ イタリアンライグラス 栄養診断 簡易診断 飼料作物 施肥 土壌管理技術 品種

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