タイトル |
インピーダンス計測によるサイレージ水分の非破壊推定 |
担当機関 |
(独)農業・食品産業技術総合研究機構 畜産草地研究所 |
研究課題名 |
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研究期間 |
1999~2003 |
研究担当者 |
喜田環樹
天羽弘一
松尾守展
重田一人
田澤倫子
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発行年度 |
2003 |
要約 |
非破壊計測であるインピーダンス計測手法を用いて、サイレージの電気的特性を計測し、ニューラルネットワークを用いて解析することで、牧草サイレージの水分を標準誤差10%程度の精度で簡易に推定可能である。
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キーワード |
飼料利用、サイレージ、非破壊計測、インピーダンス、ニューラルネットワーク
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背景・ねらい |
サイレージの水分計測は加熱乾燥法やトルエン蒸留法により行われており、分析は時間と労力を要するため、より迅速な非破壊計測手法が求められている。そこで、対象物の様々な物性を非破壊で計測可能なインピーダンス計測と、多要素系の解析に用いられるニューラルネットワークにより、サイレージの水分含量を非破壊推定する手法を開発する。
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成果の内容・特徴 |
- 測定サイレージは酪農家からのサンプル(120点)と所内でのサンプル(40点)の多種多様な牧草サイレージ、並びにトウモロコシサイレージを用い、測定サイレージを無作為に分けて、約2/3を教師データとしてニューラルネットワークの学習用に、残りを検証用に用いる。供試サンプルの水分について表1に示す。
- インピーダンス計測容器(4電極式)に計量したサイレージ(60~100g程度)を封入し、蓋を閉め所定容積(200cm3)に密閉し、インピーダンスメータにより周波数を変化(63Hz~4MHzで25点)させた交流をサイレージに与え、そのときの電気的変化を計測することで、サイレージのインピーダンス特性について計測できる。計測は非破壊手法であり、1サンプル3分程度で計測できる(図1)。
- サイレージのインピーダンス計測値には、サイレージ材料の様々な物性の影響が含まれ、そのままでは解析は困難である。そこで多要素系の解析に有用なニューラルネットワークを用いた解析を行う。サイレージのインピーダンス(1サンプルあたりレジスタンスとリアクタンス50要素)とサイレージの水分値の計51要素をニューラルネットワークに入力し、ニューラルネットワークの学習を行い、その後、学習したニューラルネットワークにインピーダンス(50要素)を入力して、推定を試みることにより、牧草サイレージでは標準誤差は9.3%程度、トウモロコシサイレージでは標準誤差3.8%程度で推定可能である。(図2、表1)。
- 解析には数値解析ソフトウェア(MATLAB)を用い、学習則は一般化機能を持たせたLevenberg-Marquardtアルゴリズムを用いる。学習と推定は中間層ニューロン数5程度で収束可能であり、汎用PCにより短時間で解析できる。
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成果の活用面・留意点 |
- インピ-ダンス計測とニューラルネットワーク解析を組み合わせたサイレージ水分の非破壊計測手法研究の基礎資料として利用できる。
- 学習したニューラルネットワークは提供可能である。
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URL |
http://agriknowledge.affrc.go.jp/RN/3010017348 |
カテゴリ |
乾燥
トウモロコシサイレージ
乳牛
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