タイトル | 豚肉品質評価のための標準的湿熱調理モデル |
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担当機関 | (独)農業・生物系特定産業技術研究機構 畜産草地研究所 |
研究課題名 | |
研究期間 | 2002~2005 |
研究担当者 |
佐々木 啓介 三津本 充 |
発行年度 | 2003 |
要約 | 豚肉品質を評価するための標準的な湿熱調理モデルを提示する。本モデルを用いることで、豚肉を、より一般的な調理に近い条件で、実験室レベルで再現性良く「煮る」加熱処理を行い、品質を解析することができる。 |
キーワード | ブタ、畜産物、食肉、湿熱調理、標準的調理モデル、畜産物・品質 |
背景・ねらい | 食肉は、一般的には加熱調理の後に食用に供される食材である。このため、品質評価についても、生の段階の品質だけでなく、加熱調理後の品質についても行う必要がある。しかしながら、従来における実験室レベルでの加熱処理法は、肉をポリ袋に入れ、70℃の恒温槽で加熱するというものが多く、日本における一般的な湿熱調理法とは大きく異なる。このため、より家庭における実際の調理に近く、かつ実験室で再現性を保ちやすい調理条件として、豚肉の「煮る」調理の実験モデル、すなわち標準的湿熱調理モデルを提示する。 |
成果の内容・特徴 | 1. 豚肉の湿熱調理条件について調理関連書籍よりレシピを収集・解析した結果得られた、一般的に行われている湿熱調理条件の特徴は次の通りである。すなわち、「ロース」および「もも」については、塩濃度については1%程度、水の量は肉の1から2倍容で肉が完全に水没する程度、加熱時間は30分程度である(表1)。水量については、具体的な量の記述がない場合でも、「かぶる程度」など、肉が完全に水没することを必要とするものがほとんどである。また、1%の塩濃度は一般的に「おいしい」と感じられる塩濃度であるとされ、妥当性が高い。 2. 豚の胸腰最長筋と大腿二頭筋について、ウオーターバスとガラス器具を用いた湿熱調理モデルを提示する(表2)。 3. 本モデルは一般的なレシピの解析結果を踏まえたものであり、従来用いられてきた70℃で1時間加熱するモデルと比較して、一般家庭における湿熱調理に近い。 |
成果の活用面・留意点 | 1. 本モデルは豚の胸腰最長筋と大腿二頭筋に関するモデルである。他の筋肉は不均一であり筋肉内の差が大きく、サンプリング条件や加熱時間について検討を要する。 2. 本モデルにより豚肉サンプルの加熱処理を行うことで、より一般的な湿熱調理を行った場合の豚肉の分析や評価を行うことができる。 3. 乾熱調理、すなわち「焼き」と「揚げ」については別途モデルの構築を要する。 4. 従来法、すなわち70℃で30分ないし1時間加熱する手法についても、加熱モデルとして従来通りの意義を有する。 |
URL | http://agriknowledge.affrc.go.jp/RN/3010017344 |
カテゴリ | 豚 もも |
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