アズマネザサ・ススキ優先草地のアーバスキュラー菌根菌

タイトル アズマネザサ・ススキ優先草地のアーバスキュラー菌根菌
担当機関 上席研究官
研究課題名
研究期間 2000~2002
研究担当者 安藤象太郎
斎藤雅典
小島知子
林治雄
発行年度 2002
要約 アズマネザサとススキが優占し、放牧により一部にシバが侵入した草地では、アズマネザサへのアーバスキュラー菌根菌の感染率はシバよりも高い。また、いずれの植物根も、Glomaceae科が優占し、次いでGigasporaceae科が多く感染している。
キーワード 放牧、アズマネザサ、ススキ、シバ、アーバスキュラー菌根菌、草地生態
背景・ねらい
アーバスキュラー菌根菌(AM菌)は植物の根に感染し、リン酸等の養分を宿主植物に与え、その生育を促進する効果があることが知られている。AM菌は宿主特異性が殆どなく、多くの草本植物に感染する。草地生態系での物質循環におけるこの菌の動態は、低投入で持続的な放牧草地の管理を行うための基礎的知見としても重要である。本研究では、放牧によりアズマネザサ・ススキ優占草地をシバ草地に移行させる過程におけるAM菌の動態を明らかにする。
成果の内容・特徴
1.
関東北部(栃木県西那須野町、畜産草地研究所草地研究センター)の、アズマネザサおよびススキが優占した放牧草地における、AM菌の感染率を4年間にわたって調査した。この間、植生はススキが減少し、シバが一部に侵入したが、アズマネザサはあまり変化しなかった。植物根のAM菌を染色し、光学顕微鏡で調べた結果、アズマネザサの側根における根長当りの感染率は、季節的な変動は殆どなく、約60%~85%の高い値で推移した(図1,2)。
2.
アズマネザサおよびススキの感染率(8月に調査)は、放牧に伴いわずかに減少傾向が見られたものの、全体的に大きな変化はなかった。侵入したシバでは、感染率は約50%でほぼ一定であった(図2)。
3.
植物根DNAを調製し、AM菌分類群特異的プライマー(全5科8属の1部を検出)によるPCR法(平成11年度草地飼料作成果情報P99-100)で調べた結果、いずれの根も、Glomaceae科が優占し、次にGigasporaceae科が多く感染している(表)。Archaeospora
leptotichaおよびAcaulosporaceae科は、Glomaceae科やGigasporaceae科と比べ、感染頻度が低い。
4.
秋季の土壌中のAM菌胞子は、特にGlomaceae科のSclerocystis属の胞子が(図3)多く見られ、胞子の形態別密度は、草地内の土壌採取地点による違いはなく、年次間変動もみられない。
成果の活用面・留意点
 
半自然放牧草地でAM菌を有効利用するための基礎的情報となる。
URL http://agriknowledge.affrc.go.jp/RN/3010017295
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