集約放牧草の蛋白質及び繊維構成成分の特性

タイトル 集約放牧草の蛋白質及び繊維構成成分の特性
担当機関 (独)農業技術研究機構 畜産草地研究所
研究課題名
研究期間 2001~2003
研究担当者 栂村恭子
大槻和夫
安藤 哲
的場和弘
発行年度 2002
要約 集約放牧下の牧草の粗蛋白質含量は20~30%、分解性蛋白質は10~25%、溶解性蛋白質は5~15%と高く、乳牛の飼料設計では過剰摂取に留意する。NDF及びADF含量は低く推移し、ペレニアルライグラス/シロクーバ混播草地では、春と秋にNDF含量は40%以下となるため、繊維源の補給が必要である。
キーワード 永年草地・放牧、放牧飼養、乳牛、CPd、CPs、NDF、ADF
背景・ねらい
搾乳牛の集約放牧によって高い生産性(産乳量10000kg/ha)を達成できることが実証されている。しかし、乳量・乳質を安定して生産するには、大きく季節変化する放牧草の成分に併せて精密に飼料設計を行う必要があるが、放牧草の蛋白質や繊維の構成成分の品種間差や季節変動についての情報は少ない。そこで、実際に集約放牧で利用されている主要牧草の分解性蛋白質、溶解性蛋白質含量及びNDF、ADF含量の季節毎の特徴を明らかにし、搾乳牛放牧の飼料設計の参考とする。
成果の内容・特徴
1.
表1のような草丈が短い状態で集約利用中の放牧草の粗蛋白質(CP)含量は放牧期間を通じて高く推移し、イネ科牧草でもCPが25%以上の時がある。搾乳牛への併給飼料は、大豆粕のようにCP含量が高いものを避け、トウモロコシなどCP含量の低いものを組み合わせて、蛋白質の過剰摂取に留意する必要がある。
2.
分解性蛋白質(CPd)は、いずれの草種でもCP中の割合は概ね70~80%であり、多くの乾草、サイレイージと同程度であるが、CP含量が高いためCPd含量は高い。溶解性蛋白質(CPs)は、CP中では30~60%と変動がある。CPdの55%以上をCPsが占める。
3.
NDF及びADF含量は、放牧期間を通じて低く推移し、高い時でもそれぞれ50%、30%程度である。草種別ではトールフェスク(TF)>オーチャードグラス(OG)>ペレニアルライグラス(PR)>シロクローバ(WC)の傾向にある。
4.
TFとOGは春のNDF、ADF含量が約50%と高く、NDF、ADF含量の季節変化が少ない。PRとWCは春と秋にNDF、ADF含量が低く、季節変化が大きい。搾乳牛放牧では飼料中のNDF含量を40%以上に設計することが奨められているが、集約放牧に適するPR/WC混播草地では、春と秋には併給飼料に乾草、サイレージ、ビートパルプなどの粗飼料源が必要となる。
成果の活用面・留意点
1.
集約放牧で搾乳牛を飼養するときの飼料設計の参考となる。
2.
北関東での集約放牧の結果であり、成分値には地域による差があることを留意する。
URL http://agriknowledge.affrc.go.jp/RN/3010017263
カテゴリ 季節変動 飼料設計 大豆粕 とうもろこし 乳牛 品種

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