モチ性裸麦「ダイシモチ」穀粒におけるアントシアニンの蓄積

タイトル モチ性裸麦「ダイシモチ」穀粒におけるアントシアニンの蓄積
担当機関 (独)農業・食品産業技術総合研究機構 作物研究所
研究課題名
研究期間
研究担当者 小野裕嗣(食総研)
神山紀子
柳澤貴司(近中四農研)
発行年度 2008
要約 ダイシモチ穀粒のアントシアニンはシアニジンマロニルグルコシドを主成分とし、果皮に局在する。開花後35日に最も多く蓄積する。
キーワード ハダカムギ、アントシアニン、プロアントシアニジン、登熟、蓄積、糯性
背景・ねらい 近年アントシアニンのもつ抗酸化性、抗炎症作用、血糖低下作用等の生理活性が明らかとなり、アントシアニン色素を含む穀物はその供給源として注目されている。在来のモチ性裸麦や栽培性を改善した品種「ダイシモチ」は登熟期に紫色に着色する特徴を有するが、その色素はあまり利用されていない。そこでダイシモチ穀粒に含まれるアントシアニン色素の有効活用を図るため、その主成分と登熟過程の蓄積を明らかにするとともに、搗精により穀粒における局在を調べる。
成果の内容・特徴
  1. ダイシモチ穀粒(図1)にはアントシアニンが含まれている。主成分はマロニル基を2個含むシアニジン3-(3″,6″-ジマロニルグルコシド)であり、次いでマロニル基1個を含むシアニジン3-(6″-マロニルグルコシド)とシアニジン3-(3″-マロニルグルコシド)、マロニル基を持たないシアニジン3-グルコシドが含まれる(図2)。
  2. ダイシモチ穀粒のアントシアニンは果皮に局在し、搗精歩留90%の搗精麦では全粒の約1/3しか残存せず、搗精歩留75%や60%ではほとんど残存しない(表1)。
  3. ダイシモチ穀粒では、アントシアニンは開花後28日以降に蓄積し、開花後35日に最大になり、開花後42日には減少する。登熟期を通じてシアニジン3-(3″,6″-ジマロニルグルコシド)が最も多く含まれる。アントシアニンの蓄積時期は、加熱後の褐変の原因であり大麦穀粒の主要なポリフェノール成分であるカテキンやプロアントシアニジンの蓄積時期よりも遅い(表2)。
成果の活用面・留意点
  1. ダイシモチの全粒及び糠はアントシアニンの供給源となり得る。
  2. 大麦の全粒粉は菓子原料等に利用されているが、アントシアニンを多く摂取するためには全粒の利用が望ましい。
  3. 収穫直前に降雨にあうとアントシアニンは著しく減少するため、適期収穫を心がける。
URL http://agriknowledge.affrc.go.jp/RN/3010017155
カテゴリ 大麦 シカ はだか麦 品種

この記事は