コムギ属もオオムギと同様に SD1座対応領域に種子休眠性QTLを持つ

タイトル コムギ属もオオムギと同様に SD1座対応領域に種子休眠性QTLを持つ
担当機関 (独)農業・食品産業技術総合研究機構 作物研究所
研究課題名
研究期間 2002~2007
研究担当者 Yerlan Turuspekov
芦川育夫
安倍史高
久保友明
金子成延
三浦秀穂(帯畜大)
小松田隆夫(生物研)
川口健太郎
中村信吾
蝶野真喜子
渡邊好昭
発行年度 2007
要約  2倍体コムギは、オオムギで最も作用力の強い種子休眠性QTLと報告されている SD1座に対応する領域に作用力の強い種子休眠性QTLを持つ。
キーワード コムギ、オオムギ、種子休眠、QTL、SD1
背景・ねらい  コムギ属と同じTriticeae連に属すオオムギは、5H染色体長腕セントロメア近傍に作用力の非常に大きな種子休眠性QTL SD1座を持つ(Ullrich et al. 1993, Hori et al. 2007)。しかし、6倍体の普通コムギではこの領域に作用力の大きなQTLは検出されていない(Flintham et al. 2002)。そこで、2倍体のコムギを用いて種子休眠性のQTL解析を行い、コムギ属でもこの領域に対応する種子休眠性QTLが存在するか可能性を検証する。
成果の内容・特徴
  1. 2倍体コムギの栽培種Triticum monococcum L.(Tm)は休眠性弱、野生種T.boeoticum L.(Tb)は休眠性強を示す(図1)。これらを両親とした組換え自殖系統(RILs)の発芽指数の分布は、発芽率の高い方に偏った連続分布を示す(図1)。
  2. オオムギのSD1座は5H染色体上のABC302及びK01353の近傍に位置する(Ullrich et al. 1993, Hori et al. 2005)。EST情報を用いて作製したこれらオオムギのマーカーに対応するコムギdCAPSマーカーwABC302及びwK01353は、コムギ5Am染色体上のSD1対応領域を示す(図2)。
  3. これらマーカーを含む連鎖地図と上記のRILの発芽指数をインターバルマッピング法によりQTL解析すると、2年間にわたり安定して2倍体コムギ染色体5Am(LOD値6.2、4.7)、3Am(LOD値2.5、2.2、LOD値2.3、2.1)、4Am(LOD値2.1、2.1)上にLOD値2を超える種子休眠QTLが検出される。
  4. 検出された5Am染色体上の作用力の一番大きな種子休眠性QTL領域は、オオムギSD1座に対応するコムギマーカーがマッピングされた領域と一致する(図3)。
  5. 以上の結果は、コムギ属でも、作用力の大きな種子休眠性QTLが、オオムギのSD1座と対応する領域に検出されることを示しており、6倍体コムギの種子休眠性を明らかにする研究に役立つ。6倍体のコムギではこの領域に作用力の大きな種子休眠性QTLが検出されていないことから、SD1座対応領域のQTLは劣性で6倍体コムギでは変異が隠されている可能性が高い。
成果の活用面・留意点 本研究の結果は、コムギ属もオオムギと同様、第5同祖染色体上に作用力の大きな種子休眠性QTLを持つことを示しており、麦類の種子休眠機構解明のための基礎的知見となる。
    URL http://agriknowledge.affrc.go.jp/RN/3010017132
    カテゴリ 大麦

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