ガンマ線緩照射によるバラの花形および花色突然変異品種の育成

タイトル ガンマ線緩照射によるバラの花形および花色突然変異品種の育成
担当機関 沖縄県農業試験場
研究課題名
研究期間 1987~2003
研究担当者 〔出花幸之介(沖縄県農試)〕
永冨成紀
山口博康
川勝正夫
発行年度 2003
要約 ガンマーフィールドにおいてバラにガンマ線を生体緩照射し、突然変異品種を育成した。夏季の切り花生産にも向く濃赤色の品種「サマンサ」から得られた明るい花色および独特の花形の系統は切り花生産や花壇用品種、わい性の系統は花壇用品種として期待される。
キーワード ガンマーフィールド、ガンマ線、生体緩照射、バラ、突然変異
背景・ねらい バラは主要な花きのひとつであり全国で切り花生産されているが、夏季における生産では切り花長が短くなり品質が劣るなどの問題がある。花色が濃赤色のバラ品種「サマンサ」は、夏季の切り花生産においても切り花長が短くならず、十分な長さの切り花が生産できる特性を持っている。そこで、ガンマ線の生体緩照射により突然変異を誘発し、サマンサの夏切りに向く特性はそのままで、明るい花色や新規性のある花形の突然変異品種シリーズを育成した。
成果の内容・特徴
  1. バラ「サマンサ」をガンマーフィールドの1日あたりの照射線量が0.25~1.5Gyの地点に植え付け、16ヶ月の間に総線量で98.4~590.6Gyの照射を行った。この間に、開花した花の花弁で変異セクターを観察しながら、切り戻しによりセクターを拡大しキメラを解消しつつ、花色変異した枝を選抜し、挿し木により増殖した。変異個体を放射線育種場の選抜圃場に定植し、キメラの安定化を図り、さらに選抜した。それらを沖縄県農業試験場の現地試験圃場に定植し、変異個体の特性を調査した。
  2. 花色と花形が変異した2系統、花色と樹高が変異した1系統、および花色のみが変異した2系統の合計5系統を選抜した(表1、図1)。IRB90-1は花色が鮮赤で樹高はやや低い。IRB90-4Lは花色が鮮やかな桃色で、花芯が2~3芯に分かれて独特の花形になる。IRB90-7は花色が鮮紫ピンクであり、IRB90-8は花色が鮮ピンクである。IRB90-9は花色が鮮赤、花弁は丸弁で、花形は抱え咲きでボタンに似ている。
  3. これらの系統は変異形質以外の栽培特性は原品種「サマンサ」と同じであり、花形や花色の変異系統は切り花生産や花壇用として、低樹高の系統は花壇等での需要が見込まれる。

表1

図1
成果の活用面・留意点
  1. 栽培基準は原品種「サマンサ」に準ずる。
URL http://agriknowledge.affrc.go.jp/RN/3010016830
カテゴリ 育種 栽培技術 挿し木 低樹高 ばら 品種 ぼたん

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