イネ白葉枯病菌の全ゲノム解析

タイトル イネ白葉枯病菌の全ゲノム解析
担当機関 資源情報研究チーム
研究課題名
研究期間 2001~2005
研究担当者 加来久敏
竹谷 勝
落合弘和
発行年度 2002
要約 世界的に最も重要なイネ病原細菌であるイネ白葉枯病菌の全ゲノム解析を行い、サイズは4.94Mbで、予測遺伝子数は4,200個であった。さらに、病原性関連遺伝子の解析から、高度なレース分化を特徴づけるゲノム構造を明らかにした。
キーワード イネ白葉枯病菌、全ゲノム解析、病原性関連遺伝子、挿入配列、進化
背景・ねらい ヒト、イネをはじめ、各種生物でゲノム解析が完了し、現在、ポストゲノム研究が進行している。微生物ではゲノムサイズが小さい(細菌で植物の1/100)ことから、インフルエンザ菌Haemophilus influenzaの全ゲノム配列が決定されて以来、解析技術の進歩と相まって各種微生物で飛躍的に解析が進んでいる。植物病原微生物もその例外ではなく、各国で主要な植物病原についてゲノム解析が進行している。そこで、わが国で最初の農業関連微生物のゲノム解析として、世界的に重要な病原細菌であるイネ白葉枯病菌(Xanthomonas oryzae pv. oryzae)について全ゲノム解析を行った。
成果の内容・特徴
  1. ホールゲノムショットガン法によりゲノム解析を行った結果、日本産レースIの代表菌株であるT7174株(MAFF311018)のゲノムは、単環状で、そのサイズは4.94Mbであった。推定遺伝子数は4,200個であであり、病原性関連遺伝子は本細菌のゲノム上に散在していた(図1)。
  2. 病原性因子分泌機構(typeIII)の構成分子をコードするhrp遺伝子クラスターを周辺領域も含めて詳細に解析した結果、イネ白葉枯病菌に固有の14の新規遺伝子を見出した。また、複数の領域において、トランスポゼースのホモログ(挿入配列:IS)が多数挿入されており、それらは本領域の約2割に相当した(図2)。
  3. hrp遺伝子と並んで最も重要な病原性関連遺伝子であるavr遺伝子はゲノム中に18コピー以上のホモログが存在し、しかも複数の領域に分散していることが明らかとなった(図1)。これらのことは、イネ白葉枯病菌の病原性の高度な分化(レース分化)との関連を示唆している。
  4. カンキツかいよう病菌(Xanthomonas axonopodis pv. citri)、キャベツ黒腐病菌(X. campestris pv. campestris)とのゲノム比較から、イネ白葉枯病菌ではゲノムの再編成が部分的に認められたが、全体として相同性は高いことが明らかとなった。しかし、それぞれのゲノム上には15から18%の遺伝子が互いに存在しない種固有の遺伝子が存在した。
URL http://agriknowledge.affrc.go.jp/RN/3010016786
カテゴリ キャベツ その他のかんきつ

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