MMPs発現を指標とした卵胞の正常性の判定法

タイトル MMPs発現を指標とした卵胞の正常性の判定法
担当機関 (独)農業生物資源研究所
研究課題名
研究期間 1998~2001
研究担当者 コンドカル
ヤヒア
橋爪一善
高橋 透
今井 敬
竹澤俊明
米内美晴
発行年度 2001
要約 卵胞液および卵胞の凍結切片を用い、MMPsを検出することにより卵胞および卵子の正常性を判断することが可能となった。
キーワード ウシ、卵胞、MMPs、アポトーシス、Film in situ zymography
背景・ねらい マトリックスメタロプロテアーゼ(MMPs)は細胞外マトリックスの改変に重要な役割を果たす酵素である。卵胞の発育から排卵および退行閉鎖には細胞外マトリックスの改変が必須であり、特に、顆粒膜細胞のアポトーシスを伴う退行閉鎖にはMMPsが関与していると考えられる。そこで、卵胞および卵子の正常性とMMPs発現の関係について検討した。
成果の内容・特徴
  • 全ての卵胞液中には非活性型のproMMP2が存在し、その濃度は正常な発情卵胞で低く、閉鎖に向かっている発情後12.14日目の卵胞で有意に高かった(p0.05、図1)。
  • 発情卵胞および正常卵胞には活性型MMP2および非活性型のproMMP9は検出されなかったが、5.7日目および12.14日目の主席卵胞や変性卵子の存在する卵胞では活性型MMP2および非活性型のproMMP9が検出されるものがあった(図2)。
  • Film in situ zymography (FIZ)とTUNELを用いたアポトーシスとの関連性では、アポトーシスを起こしている顆粒膜細胞あるいは卵胞基底膜からMMPsが発現していることが判明した(図3)。
  • 直径4.5mmの卵胞より採取した卵胞液のFIZによる検査と卵子の成熟率を比較した研究により、MMPsの検出強度が強い卵胞由来の卵子は、検出強度が弱い卵胞由来の卵子と比較して、成熟培養後の成熟率が低く、変性率が高かった(表1)。
    これらのことより、卵胞液中の活性型MMP2および非活性型proMMP9をゼラチンザイモグラフィーまたはFIZで検出した卵胞は、閉鎖退行に向かっており、含まれる卵子も変性過程にあることが予想され、MMPsを指標とすることで卵胞の正常性が判別できる可能性が示された。
  • 成果の活用面・留意点
    1. ゼラチンザイモグラフィーおよびFIZの結果が出るまで16時間程度必要である。
    2. 繁殖障害牛において不妊の原因が卵子にあるのか子宮にあるのかといった原因の調査等に応用可能である。
    3. in vitroにおける卵胞の培養においてその卵胞が正常に発育しているか否かを判断する指標となりうる。
    URL http://agriknowledge.affrc.go.jp/RN/3010016732
    カテゴリ 繁殖性改善

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