ダイズグリシニンを集積した新機能性コメ

タイトル ダイズグリシニンを集積した新機能性コメ
担当機関 農業生物資源研究所
研究課題名
研究期間 1996~2000
研究担当者 高岩文雄
発行年度 2000
要約 ダイズグリシニン遺伝子をイネの主要な貯蔵タンパク質であるグルテリン遺伝子プロモーターを用いて胚乳特異的に発現させ、グリシニンを可食部の胚乳中に高度に集積させた組換えイネの作出に成功した。
キーワード ダイズグリシニン、グルテリン遺伝子プロモーター、胚乳特異的に発現させ
背景・ねらい ダイズグリシニンは加工特性に優れ、血清コレステロール値低下能など健康維持・増進性を有し、さらにイネ種子蛋白質で制限アミノ酸となっている必須アミノ酸のリジンに富んだ貯蔵タンパク質である。そこでこのグリシニン遺伝子をイネ胚乳特異的プロモーターに連結し、イネ種子の可食部である胚乳組織で特異的に発現・蓄積させることにより、栄養性が強化され健康維持・増進性の付加された新機能性をそなえた育種素材の開発を行った。
成果の内容・特徴
  1. グルテリンの5'非翻訳領域を完全に含むプロモーターを用いて、グリシニンA1aB1bを全種子タンパク質あたり6~8%程度胚乳中に安定的に集積した形質転換体イネ系統を遺伝的に固定することができた(図1)。
  2. 遺伝的にホモになった4~5%程度グリシニンA1aB1bを集積している系統(11-5)に、グルテリン一部欠失系統(α123欠)やグルテリンの集積が低下した系統(LGC1)を交配し、世代を進めホモにして集積しているグリシニン量を比較したところ、α123欠系統では約5割、LGC1系統では7割、もとの11-5系統よりも増加していることが明らかになった(図1)。
  3. グリシニンはグルテリンプロモーターの制御下で発現させた時、サブアリューロン組織で発現集積していた。さらにイネグルテリンの特異的蓄積が観察されるタンパク質顆粒Ⅱに特異的に集積していた。集積されたダイズグリシニンは一部グルテリンとハイブリットを形成していた。
  4. イネ胚乳に蓄積したグリシニンは前駆体から切断を受け、成熟型の酸性サブユニットと塩基性サブユニットになり、ダイズの種子と同様に6量体を形成していた。
成果の活用面・留意点 生理機能活性を有するダイズグリシニンを高度に胚乳中に集積させたイネが作出された。今後動物での食餌実験等を通して、血清コレステロール値低下作用が確認されたなら、健康機能性のあるコメとして育種素材としての利用を図ることが可能となる。
URL http://agriknowledge.affrc.go.jp/RN/3010016723
カテゴリ 育種 加工特性 機能性 大豆

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