新生子牛の造血機能の低下とその改善法

タイトル 新生子牛の造血機能の低下とその改善法
担当機関 畜産試験場
研究課題名
研究期間 1991~1994
研究担当者
発行年度 1994
要約 双子牛が単子牛より、初産牛から生まれた子牛が経産牛から生まれた子牛より、また雄子牛が雌子牛よりも出生直後に造血機能の低下が認められ、新生子牛の造血機能の改善には出生直後から鉄を40mg/日以上投与することが有効である。
背景・ねらい 近年、受精卵移植技術の実用化に伴い、乳用牛を受卵牛とした肉用牛の子牛生産が盛んに行われ、なかでも双子生産は牛肉資源の拡大策として大きな期待がもたれている。しかし、双子牛は出生後の生存率が低いため、双子牛の生存率を向上させる方法の開発が強く求められている。
双子牛の生存率が低い原因の一つとして、双子牛の貧血発生率の高いことが影響していると報告されているが、新生子牛の造血機能に影響する諸要因については今までほとんど解明されていない。そこで、子牛の血中ヘマトクリット(Ht)およびヘモグロビン(Hb)を指標にして、新生子牛の造血機能に影響する要因を明らかにするとともに、その改善方法を開発する。
成果の内容・特徴
  1.  分娩1日後における新生子牛の血中HtおよびHbは、双子分娩、母牛の産次、子牛の性に影響され、双子牛が単子牛よりも、初産牛から生まれた子牛が経産牛から生まれた子牛よりも、また雄子牛が雌子牛よりも低いことが認められた(表1)。
  2.  初乳中の鉄含量が子牛の鉄要求量の10%以下と非常に低く、また分娩6日後の子牛の血中HtおよびHbが分娩1日後よりも低下したことから、初乳給与だけでは子牛の造血機能を改善できないことが認められた(表1)。
  3.  分娩直後における母牛の血中HtおよびHbが双子分娩、母牛の産次および子牛の性に影響されなかったため、分娩前の母牛の対する鉄給与から子牛の造血機能を改善することは効果の低いことが推察された(表2)。
  4.  子牛に分娩1日後から5日間硫酸第一鉄として鉄を20mg/日および40mg/日投与すると、鉄を40mg投与した子牛で血中HtおよびHbが増加したことから、新生子牛の造血機能の改善には出生直後から鉄を40mg/日以上投与することが有効である(表3)。
成果の活用面・留意点 新生子牛の血中Htが9g/dl以下を貧血症状と判定すると、初産牛から双子牛が生まれた場合には極度の貧血になることが推察されたため、貧血に対する注意が必要である。
URL http://agriknowledge.affrc.go.jp/RN/3010016350
カテゴリ くり 受精卵移植 肉牛

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