Campylobacter jejuni薬剤耐性と細胞生残性に関わるCmeDEFの役割

タイトル Campylobacter jejuni薬剤耐性と細胞生残性に関わるCmeDEFの役割
担当機関 (独)農業・食品産業技術総合研究機構 動物衛生研究所
研究課題名
研究期間 2002~2005
研究担当者 Jun Lin
Qijing Zhang
Yi-Wen Barton
吉井紀代
秋庭正人
中澤宗生
発行年度 2006
要約  Campylobacter jejuni多剤排出システムとしてはCmeABCが重要であり、CmeDEFは2次的な役割をはたしている。また、CmeDEFはCmeABCと共同してC. jejuni細胞生残性にも関与しており、これらを標的とした本菌の定着阻止技術の開発が期待される。
キーワード Campylobacter jejuni、薬剤耐性、多剤排出システム、CmeDEF、CmeABC
背景・ねらい  Campylobacter jejuni は大腸菌、サルモネラと並んでヒトの感染事例報告数の最も多い食品媒介性人獣共通感染症病原体の一つである。近年、本菌の薬剤耐性化が世界的に問題となっている。2000年に公表された全ゲノム塩基配列データによるとC. jejuni は2つのresistance-nodulation-cell division(RND)型排出システムを保有している。このうちCme (Campylobacter multidrug efflux) ABCは生得的及び獲得的薬剤耐性の両者について重要な役割を担うことが報告されている。本研究では、その塩基配列から別のRND型排出システムであると推定された、CmeDEFの機能を解析することを目的として実験を行った。
成果の内容・特徴
  1. ウェスタンブロット解析(図1)及び転写活性の測定(表1)から、CmeDEFの発現はCmeABCに比べて微弱であることが示唆された。
  2. NCTC11168、81-176、及び21190株のcmeF 変異株を作出し(F株)、24種抗菌剤に対する抵抗性を親株と比較したところ、NCTC11168 F株では24剤中3剤において親株より抵抗性が減少したが、予想とは逆に81-176 F株で5剤、21190 F株で18剤に対して、親株より抵抗性が増加した。
  3. 81-176 Fおよび21190 F株ではcmeABC転写活性が上昇し(表1)、これらの株では両排出システムの発現が協調している可能性が考えられた。
  4. CmeABCの影響を受けない状態でCmeDEFの機能を解析する目的で、81-176および21190株を用いてcmeB/cmeF2 重変異株(B/F株)を作出し、cmeB 変異株(B株)との間で24種抗菌剤に対する抵抗性を比較した。81-176 B/F株で13剤、21190 B/F株で12剤に対する抵抗性が、それぞれ81-176 B及び21190 B株よりも2~128倍減少した(表2)。
  5. ミューラーヒントン液体培地を用いた静置培養において、81-176 B/F株の定常期生菌数は81-176、81-176 B株、及び81-176 F変異株の1/10以下であり、CmeDEFはCmeABCと関連して本菌の細胞生残性にも関与すると考えられた(図2)。
成果の活用面・留意点
  1. CmeABCとCmeDEFは薬剤耐性のみならず、C. jejuni細胞生残性にも関与すると考えられる。これら多剤排出システムの特異的阻害剤を用いることで、本菌のヒトや家畜における腸管内定着を阻止できるかも知れない。
URL http://agriknowledge.affrc.go.jp/RN/3010016294
カテゴリ 抵抗性 薬剤耐性

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