過去17年間に豚丹毒罹患豚から分離された豚丹毒菌株の性状

タイトル 過去17年間に豚丹毒罹患豚から分離された豚丹毒菌株の性状
担当機関 (独)農業・生物系特定産業技術研究機構 動物衛生研究所
研究課題名
研究期間 2001~2003
研究担当者 岩丸祥史
菊間礼子
高瀬 相(富山県)
今田由美子
赤地重宏(三重県)
早川裕二(石川県)
発行年度 2004
要約 1988~2004年に豚丹毒罹患豚から分離された豚丹毒菌1,297株について血清型別を行った結果、血清型1a型株が半数を占めた。さらに血清型1a型株について新たなRAPD (Randomly amplified polymorphic DNA) 法による遺伝子型およびアクリフラビン耐性について調べたところ、RAPD法により4つの遺伝子型に分かれ、RAPD1-2型の殆どの株はアクリフラビン耐性で、かつマウスに対して低病原性を示すことが証明された。
キーワード 慢性型豚丹毒、アクリフラビン耐性、生菌ワクチン、ブタ
背景・ねらい
急性敗血症型豚丹毒の発生は1976、1977年の全国的大発生以後生菌ワクチン接種の徹底等により急減し、近年の被害の主体は慢性型豚丹毒による全廃棄となっている。そこで最近の豚丹毒の発生実態を把握するため、豚丹毒罹患豚から分離された豚丹毒菌株について血清型別を行い、由来病型との関係を調べる。また、敗血症の起因菌として重要な血清型1a型菌については新たなRAPD法による遺伝子型、アクリフラビン耐性等の性状を解析する。
成果の内容・特徴
1.
血清型別:1988~2004年に分離された豚丹毒菌1,297株の由来病型と血清型との関係(図1)は高橋らの成績(1983~1993年分離、1,046株)と同様であり、過去22年間で変化がなかった。約半数の635株が血清型1a型であった。
2.
血清型1a型株のRAPD法による解析:
1)
D9355プライマーを用いたRAPD法により血清型1a型菌635株は4つのRAPD型(1、1-1、1-2、1-6)に分かれた。強毒の藤沢株(1a型)および旧生菌ワクチン製造用株の小金井株(1a型、アクリフラビン耐性、マウス低病原性)はRAPD1型に、現行生菌ワクチン製造用株の小金井65-0.15株(1a型、アクリフラビン耐性、マウス低病原性)はRAPD1-2型に分類された(図2)。
2)
血清型1a型でRAPD1-2型に分類された菌株の99%は慢性関節炎型豚丹毒由来で、他の病型からは殆ど分離されなかった(図1)。
3)
血清型1a型635株のアクリフラビン耐性頻度はRAPD型と関連し、RAPD1-2型株では92%であったが、その他のRAPD型の1a型株では2%、血清型1b型および2b型株では4-6%に留まった(図3)。
4)
RAPD1-2型株はAF耐性の有無に関係なくその他のRAPD型(血清型1a型)株よりもマウス病原性が低い傾向があった(図4)。
成果の活用面・留意点 1.
血清型1a型におけるRAPD1-2型株は、強い病態を示す敗血症、心内膜炎、じんましん型からは殆ど分離されず、慢性型の関節炎から分離され、それらの株の性状(血清型1a型、遺伝子型(RAPD1-2型)、アクリフラビン耐性、マウス低病原性)が現行の豚丹毒生菌ワクチン製造用株(小金井65-0.15株)と一致することから、今後、さらにその関係を調査する必要がある。
2.
強毒の血清型1a型株から弱毒株を識別できる本RAPD法は、豚丹毒の効果的な防疫上有用な手法となる。
URL http://agriknowledge.affrc.go.jp/RN/3010016223
カテゴリ くり

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