Salmonella Typhimurium DT104が保有する溶原化ファージの性状解析

タイトル Salmonella Typhimurium DT104が保有する溶原化ファージの性状解析
担当機関 (独)農業・生物系特定産業技術研究機構 動物衛生研究所
研究課題名
研究期間 2003~2007
研究担当者 横溝祐一
鮫島俊哉
秋庭正人
菅野徹
西森敬
西森知子
石原涼子
中澤宗生
田中聖
内田郁夫
発行年度 2003
要約 Salmonella Typhimuriumファージ型DT104に共通して存在する溶原化ファージST104を分離し、その性状解析を実施した。ST104はP22ファージに高い相同性を示した。ファージ型別の手技は煩雑であることから、当該ファージはDT104のマーカーとして有用であると考えられた。
キーワード Salmonella Typhimurium、DT104、溶原化ファージ、ST104
背景・ねらい
 近年多剤耐性Salmonella Typhimurium(S.T)ファージ型DT104の分離が国内の家畜においても報告されている。そこで、本研究においてDT104の性状解明の一環として、同菌における溶原化ファージの検索を行い、分離されたファージについて、その性状解析を実施した。
成果の内容・特徴 1.
DT104 12株、およびDT104とパルスフィールド電気泳動法を用いた型別により同一遺伝子型を示す株5株(ファージ型未同定)およびそれと異なった遺伝子型を示すS.T 26株を含む計42株について、マイトマイシンC処理による溶原化ファージの誘導を試みた。このうち34株から、指示菌として用いたLT2株を溶菌するファージを分離した。
2.
分離されたファージからそのゲノムDNA精製し、制限酵素EcoRIによる消化実験を実施したところ、5種類のパターン(a1, a2, b, c,d)が検出された(図1)。
3.
DT104およびそれと同一の遺伝子型を示す株17株から分離されたファージの切断パターンは同一のパターン(a1)を示し、このファージをST104と命名した。
4.
ST104のゲノムはXbaI断片(485 kb)上に位置していた(図略)。
5.
ST104の全ゲノムDNAのシークエンスを実施した。ST104は41,391 bpからなり、64個のオープンリーディングフレーム(ORF)が検出され、このうち27個がアミノ酸配列レベルにおいてP22ファージのものと90%以上の相同性を示した(図2)。
6.
ST104のゲノムはサルモネラや大腸菌由来の少なくとも8種のlambdoidファージ(P22、ST64T、933W、HK620、HK022、HK97、VT2-Sa、PS119)とホモロジーを示すORFが含まれ、いわゆるモザイク構造を示した(図2)。
成果の活用面・留意点 1.
DT104が共通に保有する溶原化ファージの存在が明らかとなり、当該ファージはDT104のマーカーとして有用である。
2.
ST104ゲノムDNAの塩基配列を利用して、DT104のPCRによる簡易スクリーニング法の開発が可能と考えられる。
URL http://agriknowledge.affrc.go.jp/RN/3010016204
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