抗牛インターロイキン10抗体を用いた牛ヨーネ病のインターフェロンガンマELISA診断法の高感度化

タイトル 抗牛インターロイキン10抗体を用いた牛ヨーネ病のインターフェロンガンマELISA診断法の高感度化
担当機関 (独)農業・生物系特定産業技術研究機構 動物衛生研究所
研究課題名
研究期間 2001~2005
研究担当者 J. J. Buza(NARO特別研究員)
永田礼子
森 康行
彦野弘一
百溪英一
発行年度 2003
要約 ヨーネ病不顕性感染牛末梢血にヨーネ菌抗原(PPD)とともに、抗牛インターロイキン(IL)10抗体を添加して24時間培養することにより、インターフェロンガンマ(IFNγ)産生量が特異的かつ20倍以上高感度化する。この研究結果はIFNγELISA法によるヨーネ病感染牛の早期診断技術高度化に直ちに応用が可能であり、本病の防疫に極めて有効である。
キーワード ウシ、ヨーネ病、早期診断法、インターロイキン10、インターフェロンガンマ
背景・ねらい
 牛ヨーネ病は我が国そして、世界の畜産業に多大な経済的被害を及ぼしている慢性下痢性伝染病である。本病の感染前期に誘導される細胞性免疫応答の検出は早期診断法として有効であるが、感染経過とともにこの免疫応答性の低下・消失が起こるため本病の早期診断を困難にしている。ヨーネ菌抗原(PPD)の刺激により同菌感染牛の末梢血に特異的に産生されるIFNγの検出は診断価値が高い。本研究のねらいはヨーネ病感染牛において産生されるIL-10がIFNγ産生を抑制していることを実証し、中和抗体によりこれを抑制することにより牛ヨーネ病の高感度な早期診断法が可能であるかを評価し、本診断法の高度化を目指すことである。
成果の内容・特徴 1.
ヨーネ病実験(不顕性)感染牛および健康牛の末梢血にPPDとともに4倍段階希釈した抗牛IL-10単クローン抗体(CC320)を加えて24時間培養し、市販のELISAキットにより培養上清中のIFNγを測定した。対照としてコンカナバリンA(Con-A)刺激ないし無刺激末梢血を同様に処理した。
2.
感染牛では添加した抗IL-10抗体の濃度に依存してIFNγの産生が増加し、20倍以上高まることが確認された(図1)。一方Con-A刺激では感染牛、健康牛ともにIFNγ産生が見られ、抗体添加の効果は見られなかった(図2)。
3.
PPDを添加された牛の末梢血中のIL-10 mRNAの変動をリアルタイムRT-PCR法により経時的に調べたところ、感染牛では非感染牛より有意に高いIL-10産生が認められ(図3)、IL-10の関与が遺伝子レベルでも明らかになった。
4.
3H-thymidine取り込みによる細胞増殖の測定により、PPD刺激末梢血のIL-10は、末梢血の細胞増殖も抑制していることが確認された(図4)。
5.
以上の実験結果を統計学的(ANOVA)に解析した結果、牛の末梢血にPPDとともに抗牛IL-10単クローン抗体(CC320)を加え、24時間培養後、市販のELISAキットでIFNγを測定すると、既存の方法よりも感度が特異的に高まり、ヨーネ病感染牛の早期診断の高度化に有効であることが明らかである。
成果の活用面・留意点 本技術は既知の技術であるIFNγELISAによる診断限界を特異的かつ著しく向上させるため、ヨーネ菌不顕性感染個体の早期診断率向上や汚染農場の感染レベルの詳細な解析などヨーネ病防疫に直ちに活用すべきである。
URL http://agriknowledge.affrc.go.jp/RN/3010016197
カテゴリ 診断技術

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