フロルフェニコール耐性を指標としたSalmonella Typhimurium DT104の簡易スクリーニング法

タイトル フロルフェニコール耐性を指標としたSalmonella Typhimurium DT104の簡易スクリーニング法
担当機関 (独)農業技術研究機構 動物衛生研究所
研究課題名
研究期間 1999~2001
研究担当者 吉井紀代
鮫島俊哉
秋庭正人
中澤宗生
発行年度 2001
要約 近年欧米において問題化しているSalmonella Typhimuriumファージ型DT104の簡易検出を目的としてDT104に特徴的なフロルフェニコール耐性を利用した検出法を開発したところ,ファージ型別結果との相関性も高く,DT104の簡易スクリーニングに有用であると考えられた。
要約(英語) 22. A simple identification method of Salmonella Typhimurium phage type DT104 using florfenicol resistance
 The multidrug-resistant Salmonella Typhimurium definitive phage type 104 (DT104) has been an important zoonotic pathogen in Europe, North America and also in Japan since 1990. However identification of DT104 by phage typing is complicated. So we developed a simple identification method for DT104 using florfenicol resistance. The results of this method were highly correlated with that of phage typing. Thus this method should be a useful tool for the identification of DT104. (Zoonosis section, Department of Safety Research TEL +81-***********)
Reference:
 Sameshima et al.(2000)Jpn.J.Infect.Dis. 53:15-16.
キーワード  サルモネラ,DT104,フロルフェニコール耐性,牛
背景・ねらい 近年欧米において家畜衛生,公衆衛生の両面から注目されているSalmonella Typhimurium(ST)ファージ型 DT104については国内の家畜における浸潤状況調査が進められているが
,ファージ型別は煩雑であるため広範な調査は困難である。そこで本研究ではDT104の多くの菌株に特徴的なフロルフェニコール耐性を指標とした簡易スクリーニング法の開発を試みた。
成果の内容・特徴  
1.
1973~1998年分離ST162株について,Ampicillin(A),Chroramphenicol(C),Streptomycin(S),Sulfamethoxazole(Su),Tetracycline(T),他9種類の抗菌薬に対する薬剤感受性を調べたところ
,DT104の多くの菌株に特徴的にみられるACSSuTを含む5剤耐性以上(ACSSuT+)を示した株が86株(53.1%)存在した。その86株について国立感染症研究所にファージ型別を依頼した結果
,86株中54株(62.8%)がDT104であることが明らかになった。
2.
簡易スクリーニング法として薬剤耐性型ACSSuTを示すDT104は染色体上にフロルフェニコール(Flo)耐性遺伝子を特徴的に保有することを利用して,Floプライマーを用いたPCR検出法について検討した。その結果
,上記のDT104 54株は全て増幅陽性であり,DT104への特異性の高さが明らかになった。DT104以外のACSSuT+株についても一部に増幅がみられたが,ST以外の38血清型については全く増幅がみられなかったことから本法はDT104の一次スクリーニング法として有用と考えられた(表1)。
3.
Flo耐性との関係を知るため, Floに対する最小発育阻止濃度(MIC)の分布を調べたところ,DT104株は全てMICが50mg/l以上であった(図1)。またDT104ではないACSSuT+株では24/33株(72.7%)がMIC12.5mg/l以下であり
,Flo耐性株はFlo-PCR陽性株に100%一致した。そこでカットオフ値25mg/lと設定して1973~2001年の189症例分離STについて調べたところ,Flo耐性率は牛由来株で81/160(50.6%),家禽で2/20(10%),豚で2/7,山羊1/1,ヤクシカ0/1であり
,さらに牛由来160株では図2に示すようにFlo耐性株は全て1991年以降に分布しており
,上述のDT104の分離状況と一致した。
成果の活用面・留意点  
1.
本スクリーニング法によってDT104の広範な浸潤状況が示された。国内におけるSTの食中毒は減少傾向にあるが,諸外国の現状を考慮するとひきつづき本菌に対する調査が必要である。
URL http://agriknowledge.affrc.go.jp/RN/3010016168
カテゴリ 飼育技術 シカ 山羊 薬剤 薬剤耐性

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