インチミン遺伝子は牛由来腸管出血性大腸菌のスクリーニングに有用

タイトル インチミン遺伝子は牛由来腸管出血性大腸菌のスクリーニングに有用
担当機関 (独)農業技術研究機構 動物衛生研究所
研究課題名
研究期間 2001~2002
研究担当者 小林秀樹
秦 英司
江口正志
発行年度 2001
要約 牛直腸便から分離されたインチミン遺伝子(eae)保有大腸菌の約半数が公衆衛生上問題となる重要なO群血清型の腸管出血性大腸菌(EHEC)に型別された。eaeはEHECスクリーニングのための疫学マーカーとして有用と考えられた。
要約(英語) 6. Detection of the intimin gene is useful for screening EHEC strains from cattle fecal samples
 Half of the bovine Escherichia coli (E. coli) strains with the intimin gene (eae) were classified into potential enterohemorragic E. coli (EHEC), since the strains were serotyped into several major O-serogroups of EHEC with public health importance. An eae gene was considered an important epidemiological marker for screening EHEC from cattle fecal samples. (Clinical Epidemiology Section, Department of Epidemiology TEL +81-298-38-7798)
キーワード  インチミン,牛直腸便,疫学マーカー,腸管出血性大腸菌,eae,EHEC
背景・ねらい 牛は腸管出血性大腸菌(EHEC)O157などの保菌動物といわれている。ヒト由来EHECは志賀毒素(Stx)を産生し,腸管粘膜定着に必須の細胞外膜蛋白であるインチミン(eae遺伝子がコード)を発現することが知られている。牛糞便を対象とするEHECの疫学調査には
,志賀毒素遺伝子(stx)をマーカーにして実施されることが多い。しかしながら,多くの牛がEHECには分類されないStx産生大腸菌(STEC)を保菌していると考えられ
,この方法はEHECの疫学マーカーとしては不適切である。そこで我々はeaeがEHECスクリーニングのための効果的な疫学マーカーとなりうるか検討した。
成果の内容・特徴  
1.
牛直腸便材料444検体についてPCRによりeae,stx1およびstx2遺伝子の検索を行った。図1に示すとおりeae陽性検体数は74検体(16.7%)でstxのそれは138検体(31%)であった。eaeおよびstx2両遺伝子が陽性であった検体数は22検体(5.0%)でO157はこれらの検体からのみ分離された。
2.
eae遺伝子陽性の74直腸便材料のうちeae保有菌株(eaeEC)が46検体(62.2%)から分離された。
3.
分離されたeaeEC87株中,40株(46.0%)が,EHECのうちの主要なO群血清型5タイプ(O26,O103,O111,O145およびO157)に型別された。一方
,1998年に分離した92株のSTECのうち,それらのO群血清型に型別されたのは15株(16.3%)に過ぎなかった。(表1)。
4.
分離eaeECが保有するstxの種類はO157株を除き全てstx1のみであった。
成果の活用面・留意点  
1.
牛糞便におけるeaeECおよびSTECの保有率,分離されるeaeECおよびSTEC中に占めたEHECの割合から,牛直腸便からEHECをスクリーニングする方法としてstxよりもeaeを疫学マーカーとした方が適切であることが明らかとなった。
2.
EHEC O157の分離にはPCRスクリーニングでeaeおよびstx2が共に陽性を示す検体について実施すると効率的である。なお,eaeおよびstx2のスクリーニングはmultiplex-PCR法で実施可能である。
URL http://agriknowledge.affrc.go.jp/RN/3010016152
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