わが国における豚生殖器・呼吸器症候群(PRRS)の摘発

タイトル わが国における豚生殖器・呼吸器症候群(PRRS)の摘発
研究課題名
研究期間 1993~1993
研究担当者 加藤あずさ
橋本則夫
三浦康男
杉村崇明
村上洋介
津田知幸
発行年度 1993
要約 豚の死流産と肺炎の集団発生例から豚生殖器・呼吸器症候群ウイルスを分離しその血清学的性状を調べるとともに抗体調査を実施し,わが国における本病の発生と浸潤状況を明らかにした。
背景・ねらい 豚生殖器・呼吸器症候群(Porcine reproductive and respiratory syndrome
;PRRS)は1980年代後半から北米,欧州に蔓延した豚の新しいウイルス病で,
死流産等の異常産と子豚の肺炎を主徴とする。原因ウイルスは1991年に
オランダで発見されたが,その後各国の流行株間に著しい抗原の差異が
存在することが判明し血清診断上の問題となっている。一方,わが国で
は,近年原因不明の異常産や肺炎の発生が認められているが,こうした
疾病とPRRSの関係や国内飼養豚群におけるウイルスの浸潤状況はこ
れまで不明であった。本課題では,国内におけるPRRSの発生をウイ
ルス分離により確認するとともに,流行株の血清学的性状を検討しその
結果を踏まえて国内浸潤状況を明らかにした。
成果の内容・特徴
  1. 国内飼養豚群に発生した慢性肺炎と異常産の各症例から豚の肺胞マ
    クロファージ細胞を用いてPRRSウイルスを分離し
    (図),わが国に
    もPRRSウイルスが存在して豚の異常産や肺炎に関与していることを
    明らかにした。
  2. 分離株の血清学的性状をPRRSウイルスの欧州株(Lelystas virus)
    及び米国株(46448virus)と比較したとこ
    ろ,分離株は血清学的に欧州株より米国株に近縁で
    (表1),同様の血
    清学的性状を示すウイルスが国内飼養豚群に流行していること
    (表2)が判明した。
  3. 国内飼養豚群におけるウイルスの浸潤調査を米国株を用いて間接蛍
    光抗体法により実施した。その結果,ほぼ全国的に抗体陽性豚が認めら
    れ,抗体陽性率は農場,個体のいずれにおいても高率を示すことが判明
    した(表3)。また,1987年に採血した異常産発生農場の保存血清
    にも抗体が検出された。このことから,わが国のPRRSウイルスの浸
    潤度は高く,少なくとも6年前からウイルスの流行があったことが判明
    した。
成果の活用面・留意点 わが国におけるPRRSの発生と原因ウイルスの浸潤状況が初めて明ら
かとなった。また,国内流行株の血清学的性状を明らかにしたことから
,本病の血清診断や疫学調査,さらに将来の予防技術の開発に必要な基
礎資料が得られた。以上の成果はわが国のPRRSの防疫指針の策定に
活用されている。
研究課題名:豚生殖器・呼吸器症候群の診断法の開発
予算区分 :平成5年度緊急調査研究(農林水産技術会議事務局)
研究期間 :平成5年度(単年度)
研究担当者:村上洋介・津田知幸・加藤あずさ・橋本則夫・三浦康男・
杉村崇明
発表論文等:
1)第116回日本獣医学会講演要旨集,p.139(1993).
2)第116回日本獣医学会講演要旨集,p.140(1993).
3)日本豚病研究会会報,No.24(1994).
4)畜産コンサルタント,No.349,p.52-57(1994).
5)平成5年度緊急調査研究報告書(1994).
6)Isolation and serological characterization of porcine
reproductive reproduc-tive and respiratory syndrome
(PRRS) viruses from pigs with reprod-uctive and
respiratory disorders in Japan.
J.Vet.Med.Sci.Vol.56,(1994)(印刷中).
URL http://agriknowledge.affrc.go.jp/RN/3010015988
カテゴリ 予防技術

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