アゼトウガラシにおけるスルホニルウレア系除草剤抵抗性の単因子優性遺伝

タイトル アゼトウガラシにおけるスルホニルウレア系除草剤抵抗性の単因子優性遺伝
担当機関 農業環境技術研究所
研究課題名
研究期間 1999~1999
研究担当者
発行年度 1999
要約  虫媒花である水田雑草アゼトウガラシを用いて,スルホニルウレア系除草剤抵抗性個体と感受性個体を掛け合わせ,F1,F1B1の除草剤抵抗性の分離比を調査した。この抵抗性は単因子優性遺伝するので,虫媒によって広範囲に拡散する恐れがある。
背景・ねらい  北日本の水田を中心に,スルホニルウレア(SUと略す)系除草剤抵抗性をもつ生物型が9種1亜種の水田雑草に出現している。これらの雑草はいずれのSU剤に対しても感受性生物型のおよそ100倍の抵抗性を示している(平成8年度東北農業成果情報)。このため,たとえば除草剤抵抗性遺伝子を獲得した生物型が単因子優性遺伝であり,虫媒によって繁殖する雑草(図1)であれば,急速に拡散する恐れがあるので,その遺伝様式を明らかにする必要がある。
成果の内容・特徴
  1. SU系除草剤抵抗性(川西町産)と感受性生物型(大曲市産)のアゼトウガラシを生育させ,除雄後,抵抗性個体(R)及び感受性(S)個体間においてすべての組み合わせによる交配を行い,F1種子を採集した。得られたこれらの種子をポット栽培し,本葉1葉期にSU剤を散布し,約4週間後に生存個体数を数えた。この中のS×Rの残存株を育成し開花させ,花粉を別に生育させたS個体の柱頭に交配し,上記と同様に検定した。
  2. S個体間で交配した実生はすべて枯死した。一方,両親のいずれかにR個体を用いた交配実験では,F1実生の定着が不安定なため生存率は変動したが,いずれの組み合わせにおいても生存個体がみられ,SU系除草剤抵抗性の遺伝が優性遺伝子に支配されている(表1)。
  3. 検定交雑のχ2検定の結果,1遺伝子支配の仮説を支持できないとするものが1果実あったが,F1B1の分離比がほぼ1:1であったことから,アゼトウガラシのSU系除草剤抵抗性は単因子優性であると判断される(表2)。
成果の活用面・留意点
  1. アゼトウガラシの花粉は訪花昆虫により伝搬するので,SU系除草剤を連用している水田では注意が必要である。
  2. この他,ミズアオイでも単因子優性であるとする結果が得られているが,他の7種1亜種のSU抵抗性雑草の遺伝様式については別個に検討する必要がある。
  3. 抵抗性が完全優性であるかどうかについては,除草剤の濃度段階を設けてさらに検討する必要がある。
URL http://agriknowledge.affrc.go.jp/RN/3010015690
カテゴリ 雑草 除草剤 水田 抵抗性 抵抗性遺伝子 とうがらし 繁殖性改善

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