廃水処理余剰汚泥施用による土壌のレアメタル富化の可能性

タイトル 廃水処理余剰汚泥施用による土壌のレアメタル富化の可能性
担当機関 農業環境技術研究所
研究課題名
研究期間 1997~1997
研究担当者
発行年度 1997
要約  廃水処理余剰汚泥中のレアメタルのうち希土類元素については,地殻規格化パターンの解析から,都市下水汚泥,化学工場汚泥への一部の元素の集積が認められる。希土類元素以外では,都市下水汚泥施用によって土壌中の銀,カドミウム,アンチモン,タリウム,ビスマスの易溶性画分濃度が高まる可能性がある。
背景・ねらい  先端技術産業の発展にともない近年多用されるようになったレアメタルによる環境汚染が懸念される。土壌環境へのレアメタルの拡散は,廃水処理から生じる余剰汚泥の土壌施用を通しても起こることが考えられる。そこで,レアメタルのうち希土類元素の汚泥への集積について判定法を開発して検討するとともにその他のレアメタルについて汚泥施用による土壌中の易溶性画分への影響を検討する。
成果の内容・特徴
  1. レアメタルのうち希土類元素(La, Ce, Pr, Nd, Sm, Gd, Tb, Dy, Ho, Er, Tm, Yb, Lu)の濃度比は,廃水処理余剰汚泥に特定元素の混入がない場合,地殻中の濃度比を反映するので,地殻の各希土類元素濃度に対する汚泥の各濃度の比をプロットした地殻規格化パターンの解析から特定の希土類元素による集積が判定できる(図1)。
  2. 都市下水汚泥では,多くの汚泥で地殻規格化パターンがフラットであることから,特定の希土類元素の集積はないと判定されるが,一部の汚泥で,規格化パターンがフラットでないことから,特定元素の集積が考えられる(図1a)。
  3. 化学工場汚泥では,多くの汚泥で特定の希土類元素の集積が考えられる(図1b)。
  4. 食品工場汚泥及びし尿汚泥では,特定の希土類元素の集積はないと判定される(図1c,d)。また,観音台土壌が地殻のレアメタルを反映していること及び豚糞おがくず堆肥には特定の希土類元素の集積がないことが分かる(図1e,f)。
  5. 希土類以外のレアメタルについては,都市下水汚泥施用によって土壌中の銀,カドミウム,アンチモン,タリウム,ビスマスの易溶性画分(交換態,炭酸塩態,酸化物態)の濃度が高まる可能性がある(図2)。
成果の活用面・留意点
  1. 本成果は汚泥施用に伴う土壌汚染の防止技術の開発のために活用できる。
  2. 希土類については,化学工場汚泥及び都市下水汚泥において個々の汚泥間で差異が大きく,また,希土類以外のレアメタルについては,都市下水汚泥のみの結果を示したが,汚泥の種類によって差異が大きいので汚泥の土壌施用に当たっては留意を要する。
URL http://agriknowledge.affrc.go.jp/RN/3010015631
カテゴリ 土壌環境

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