リモートセンシングに基づいた水稲生育収量のシミュレーション手法

タイトル リモートセンシングに基づいた水稲生育収量のシミュレーション手法
担当機関 農業環境技術研究所
研究課題名
研究期間 1996~1999
研究担当者
発行年度 1996
要約 遠隔スペクトル計測によって得られる作物情報に基づいて、作物生長シミュレーションモデルのキャリブレーションを自動的に行い,個々の水稲群落の実生長と実収量を精度よく予測する手法を開発した。
背景・ねらい  作物生育のシミュレーションモデルは,生育診断や予測に有効な方法として,現場でも活用が進みつつある。しかし,現存の主要なモデルは,環境ストレスのない良好な栽培条件での最大生長を気象条件から推定するにとどまっているのが現状である。また,モデルを動かすのに必要な初期値や品種パラメータを個々の群落について正確に実測して与えることも容易ではない。そこで,遠隔計測によって得られる作物情報に基づいて,生長モデルのキャリブレーションを自動的に行い個々の群落の実生長を精度よく予測する手法を開発した。
成果の内容・特徴
  1. 本手法は,遠隔的スペクトル計測に基づいて生長モデルのリアルタイムキャリブレーションを行い,新規に求めたパラメータによってその後の生長を予測する(図1)。リアルタイムキャリブレーションモジュール(RCM)は,生長モデルの予測結果と遠隔計測によって得られた値とを比較し,実測値を的確に推定できるように,モデルに与えた初期値と生理パラメータのリキャリブレーションを自動的に行うことができる。RCMはシンプレックス法に基づく数値計算により各パラメータの最適値を自動的に求め,新たにリモートセンシングデータが得られるたびにすべてのデータを用いたリキャリブレーションを繰り返し,最終的には個々の群落実生長に固有のパラメータを算出することができる(図2)。
  2. ここで用いた水稲の生長シミュレーションモデル(SIMRIW)は,発育指数DVI,葉面積指数LAI,乾物重DWの初期値を与え,以後,毎日の平均気温,日射量を入力として,逐次的に日毎のDVI,LAI,DWを算出するものである。モデルパラメータのうち,環境・栽培条件によって大きく変動する3つの初期値(LAIi,DWi,DVIi)と2つのパラメタ(葉面積指数最大値LAIxと光利用効率CE)の合計5個の変数をRCMにより自動的に最適化する。
  3. 同一気象条件の下でも生育の大きく異なる水稲群落を対象として本システムを駆動したところ,少数回の遠隔スペクトルデータを入力として用いることによって,個々の群落の実生長と収量を精度よく予測できることが検証された(図3)。
成果の活用面・留意点
  1. 標準的な栽培条件における最大生長・収量と実生長・収量の比較診断に応用できる。
  2. 個々の作物群落において,光利用効率などの生理的パラメータが環境ストレス等により実際どの程度低下したかをパラメータ評価することができる。特に,多数の品種群落の生産特性・生理パラメータの同時簡易評価等へも応用できる。
URL http://agriknowledge.affrc.go.jp/RN/3010015619
カテゴリ 栽培条件 水稲 品種 リモートセンシング

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