炭素循環モデルに基づいた農用林における炭素収支

タイトル 炭素循環モデルに基づいた農用林における炭素収支
担当機関 農業環境技術研究所
研究課題名
研究期間 1995~1995
研究担当者
発行年度 1995
要約 農用林における炭素循環の測定を行い,炭素循環モデル(中根,1986)に基づいて炭素収支を明らかにした。若齢農用林(20年生)の樹木の炭素増加量は自然林(50年生)よりも多かった。土壌への炭素供給のほとんどは落葉によるものであり,土壌は炭素のシンクとなっているが,落葉掻きを実施することによりその蓄積量は減少することが認められた。
背景・ねらい  地球温暖化に係わる二酸化炭素の収支を明らかにするため,様々な生態系において炭素循環の測定が行われているが,農業生態系における炭素循環も明らかにする必要がある。本研究はこれまであまり明らかにされていなかった農用林を対象に炭素循環量を明らかにし,森林の炭素循環に対する下草刈りや落葉掻きなどの管理作業の影響を解明することを目的とした。
成果の内容・特徴
  • 調査対象とした農用林は茨城県北浦村の20年生のコナラ林であり,土壌は褐色森林土である。管理作業の影響を明らかにするため,下草刈りおよび落葉掻きが行われているところ(管理区)と管理作業が行われず,林床がササで覆われているところ(放置区)を調査した。下草刈りおよび落葉掻きにより持ち出された植物,落葉は農地に堆肥として施用される。また,自然林との比較のため,栃木県塩原町の50年生以上のクリ-コナラ林も調査した(自然区)。土壌は黒ボク土である。
  • 植物体コンパートメントの炭素の増加量は管理区,放置区,自然区それぞれで3.7,3.5,2.2tCha-1yr-1であり,樹木が再生の途中にある農用林は炭素のシンクとなっていることが明らかになった
    (図)。
  • 炭素循環モデル(中根,1986,日本生態学会誌36,p.29-39)による収支では,土壌コンパートメントは放置区,自然区それぞれで1.3,1.5tCha-1yr-1増加するが,管理区では0.8tCha-1yr-1で減少すると見積もられた。
  • 土壌は炭素のシンクとなりうるが,土壌への炭素供給のほとんどは落葉によるものであり,落葉掻きを実施することによりその蓄積量は減少することが認められた。
  • 成果の活用面・留意点  本成果は日本の代表的な土壌における測定結果であることに留意する必要がある。
    URL http://agriknowledge.affrc.go.jp/RN/3010015568
    カテゴリ くり 炭素循環

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