クワ−牧草混生草地におけるクワによる夏季の微気象緩和作用

タイトル クワ−牧草混生草地におけるクワによる夏季の微気象緩和作用
担当機関 草地試験場
研究課題名
研究期間 1999~2000
研究担当者 柴田昇平
西田智子
北原徳久
発行年度 2000
要約 クワ樹列間に牧草を栽培すると、夏季には、クワに近いほど牧草の生長が良く、クワ樹冠は、牧草にかかる水分ストレス、熱ストレスを緩和し、夏枯れを軽減したと考えられる。
背景・ねらい
 草地の反収向上と季節生産性の平準化、放棄桑園の畜産的利用を目的として、クワと牧草の混生草地が考案された。4年間の収量調査の結果、混生草地の年間牧草収量は、普通の牧草地の102.3%と遜色がなく、クワは牧草に対して日射を遮蔽するにもかかわらず何か別の効果を与えていると考えられる。そこで、クワの葉が豊富に存在する夏季について樹列間の牧草生長の実態を微気象的要因から解明する。
成果の内容・特徴
  1. 牧草(オ-チャードグラス)の草丈は、クワの生長とともに樹列に近い方が高くなり、樹冠の発達した7月以降(樹高約140cm、樹冠約45cm)、この傾向は顕著になった。また、樹列付近の方が全牧草収量は高かった(図1,図2)。
  2. 干天の継続した7月20~23日の土壌水分(深さ5cm)の変化をみると、7月22日以降、樹列間の中心付近に比べて樹列付近は1~2%高く維持された(図3)。つまり、クワ樹冠により土壌面蒸発が抑制され、樹列付近の牧草へかかる水分ストレスが緩和されたと考えられる。
  3. 7月中旬、牧草に到達する日日射量は、樹列付近のプロット1で43%に、プロット6で50%に減少した。これを反映して、樹列付近の地温の極値は、樹列間の中心付近と比較して1℃近く低くかった(図4)。つまり、クワ樹冠により樹列付近の牧草根圏域への熱ストレスが緩和されたと考えられる。
成果の活用面・留意点
  1. 寒地型牧草の夏枯れ地帯においては、クワ以外の樹木の下でも、同様な現象が起こると考えられる。
  2. 樹冠の発達時においても牧草生育に必要な日射量を確保できる様、樹列を配置する必要がある。

URL http://agriknowledge.affrc.go.jp/RN/3010015479
カテゴリ 寒地

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