傾斜放牧草地における土壌養分の偏在とその影響要因

タイトル 傾斜放牧草地における土壌養分の偏在とその影響要因
担当機関 家畜飼養研室
研究課題名
研究期間 1999~2000
研究担当者 玉城勝彦
山田大吾
山本博
小島誠
瀬川敬
斉藤吉満
梅村和弘
木戸恭子
発行年度 2000
要約 傾斜放牧草地内での表層0~5cmの土壌中全窒素、可給態リン酸、交換性カリウム含量は緩傾斜、特に尾根で高く、偏在する。これら土壌養分の偏在には、施肥、放牧牛による影響要因のうち排ふん個数が最も影響を及ぼしている。
背景・ねらい
環境保全的な傾斜放牧草地管理技術を確立する上で合理的な施肥を行うことが必要である。これまで本支場において、土壌養分の偏在と養分蓄積地点での減肥の可能性を示してきた(草地飼料作研究成果最新情報第7、14号)。しかし、偏在の普遍性及び要因解明についての検討は少ない。そこで、本研究では上記報告と異なる放牧草地において、土壌中全窒素、トルオーグ法による可給態リン酸、交換性カリウムの分布を調査し、分布特徴に及ぼす施肥と放牧牛による排泄ふん個数、横臥・採食時間の影響、牛行動に及ぼす傾斜の影響について検討する。 
成果の内容・特徴
  1. 試験牧区(図1)は8~25度の傾斜度を有し、北西、南東に尾根が広がり、中央部の北から南西に向かって谷となる。10m×10mメッシュ内の表層0~5cmの土壌中全窒素、可給態リン酸、交換性カリウム含量は緩傾斜、特に尾根で明らかに高く、土壌養分が偏在する(図2)。
  2. メッシュ毎の牛行動(図3)の内、排泄ふん個数は尾根で著しく高く、最も顕著な傾向が見られる。横臥時間については斜面、谷で長い地点もあるが、北西の尾根で著しく長い。非横臥非採食時間についても同様である。採食時間は尾根で著しく長いということはない。
  3. メッシュ毎の土壌養分含量及び傾斜度と影響要因の関係について回帰分析を行った(表1)。三養分ともに排泄ふん個数、牛横臥時間と有意に相関があり、排泄ふん個数との相関が最も高い。推定肥料散布量とはカリウムを除き相関が低い。また、傾斜度が低いほど有意に排泄ふん個数が多く、横臥時間、非横臥非採食時間が長い。これらより、傾斜放牧草地での土壌養分の偏在には、放牧牛が傾斜の緩い場所へ集まりやすく、排泄することが強く影響を及ぼしていることが示される。
成果の活用面・留意点
  1. 傾斜放牧草地において、排泄ふん個数が多い場所での土壌中窒素、リン酸、カリウムの偏在が予測でき、養分分布特徴に対応した合理的施肥を行うための基礎資料となる。
  2. 傾斜角以外の地形要素については別途検討する必要がある。

URL http://agriknowledge.affrc.go.jp/RN/3010015459
カテゴリ 管理技術 施肥 肥料散布

この記事は